「口福の源~食料」ブランド化スタート

答志島トロさわら=鳥羽磯部漁業協同組合提供

 三重県鳥羽市の鳥羽マリンターミナルから北東2・5キロメートル、市営定期船で約30分の距離にある、伊勢湾最大の離島で漁業の島、答志島(とうしじま)。

 ここで揚がるサワラは、木曽三川から栄養分が流れ込む伊勢湾で丸々と太ったマイワシを大量に食べて、他では類を見ない脂肪分に育つ。これが「答志島トロさわら」である。

 答志島のサワラ漁は、一本釣りと船上での生き締めにこだわっている。サワラは水分量が多くて身が柔らかい魚なので、網などで取ると体中に傷がついてしまう。〝足〟が早いからすぐに締める必要もあるという。

 瀬戸内で水揚げされるのが春であるため、「鰆」とサカナ偏に春と書かれるので、春が旬と思われがちであるが、答志島では秋から冬にかけてが一番脂がのっておいしい季節である。

 サワラは〝足〟の早い魚であるが故に、焼いて食べることが多いが、答志島近辺では昔から刺身で食していたという。

 その答志島で昨年10月に「答志島トロさわら」のブランド化がスタートした。ブランド基準としては、前述の一本釣りと船上での生き締めに加えて、脂肪含量測定値などが挙げられている。

 ブランド化初年度は、昨年10月4日にシーズン入りを宣言して、今年1月7日に終了を宣言したが、この間累計で7339本、約20トンの漁獲が報告されている。

 ブランド化初年度の成果を価格面でみると「答志島トロさわら」のブランドタグの有無による価格差はキログラム当たり189・5円となっている。一方、タグなしのサワラの価格も前年比4・8%の上昇だったことから、ブランド化により知名度が上がった効果で、答志島・菅島(すがしま)産の釣りサワラ全体の価格が引き上げられたようである。

 さて、脂肪分の豊富さが売り物であるサワラであるが、カロリーについては意外に優等生だ。切り身100グラム当たりのカロリーを比較してみると、サンマ310キロカロリー、イワシ217キロカロリー、サバ194キロカロリーに対して、サワラは177キロカロリーにすぎないのである。

 つまり、生でおいしく食べられて、その割には太りにくいということのようである。

 このコラムの性格上「答志島トロさわら」の食べ方についても言及しなければならない。

 昔ながらの刺身が、豊富な脂肪分を食感できるので、一番のおススメであろう。ただ、個人的には刺身を軽くあぶったものが好みだ。

 三重県鳥羽市内の宿泊施設や飲食店では、刺身やあぶりに加えて、焼き物や揚げ物も取り入れた、サワラ尽くしのコース料理を提供しているところがある。今回、「答志島トロさわら」の写真を提供していただいた鳥羽磯部漁業協同組合の直営食堂である「魚々味(ととみ)」でも、サワラ料理が堪能できる。

 さらに、鳥羽駅至近の農水産物直売所「鳥羽マルシェ」では、サワラのあぶりずしなども売られている。伊勢神宮参拝などの折に足を延ばされ、ぜひ味わっていただきたい。

(日本離島センター専務理事 小島 愛之助)

 

(KyodoWeekly7月1日号から転載)

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