「口福の源~食料」タピオカ、3回目のブーム

 この2、3年、タピオカドリンクのブームが続いている。特に今年になってからの専門店の急増はすさまじい。「街で行列を見たらタピオカ屋だと思え」といっても過言ではなく、有名店は長蛇の列。ここまで爆発的な食べ物ブームは近年珍しい。

 客の大半は若い女性だ。女子中高生のあいだでは、いま「タピる」が流行語になっている。

 タピオカは、イモの一種であるキャッサバから製造するでんぷんを水に溶いて加熱後、粒状に乾燥させたものだ。

 今回のタピオカブームは、3回目である。1回目は、1990年代はじめに「タピオカココナッツミルク」が登場したときだった。このとき使われた透明で小粒タイプのタピオカが、カエルの卵そっくりだったことと、くず餅やわらび餅とは似て非なるプニュプニュ、モチモチした食感が衝撃で、たちまち花形スイーツになった。

 2回目は2000年代初頭、「タピオカミルクティー」が大ヒットしたときだ。大粒で黒いタピオカが、こってり濃厚で甘いアイスミルクティーに入っている。1980年代に台湾の喫茶店で開発されたドリンクである。

 見た目の奇抜さはもとより、粒を太いストローで吸い込むところが斬新で、大粒なので食感がより楽しめる。飲み物であって食べ物でもあることも大受けして、カップ飲料としてコンビニにも並ぶようになった。

 静かに定着していたタピオカが3回目のブームを起こすきっかけは、タピオカミルクティー発祥の店とされる台中の「春水堂」が、海外初支店を東京に開いたことだった。以来、台湾のみならず、韓国やタイからも人気チェーンが続々と上陸し、国産の新店も次々に開店し、現在の大ブームにいたっている。

 大粒の黒タピオカがドリンクに入っているという形式は前と同じだが、今回の特徴は、タピオカはもちろん、茶葉やミルク、砂糖の品質までこだわって、本格的でおいしくなったことだ。また、紅茶だけでなく、ほうじ茶、抹茶、ウーロン茶、ジャスミン茶と、茶の選択肢が増え、色とりどりのジュースで作る店もある。フルーツやチョコレート、ゼリーやアイスクリームなど、トッピングの種類も広がった。見た目がぐっと華やかになってSNS映えするのが、ブームの要因のひとつだ。

 豪華になったぶん、1杯が400~600円と値段も高めだが、カフェでコーヒーとケーキを食べるより、若干安くあがる価格設定が絶妙だ。ただし、タピオカは高カロリーのでんぷんだし、ミルクも砂糖もたっぷり入っているから、実はダイエットの大敵。そんな危険なところも、魅力なのかもしれない。

(食文化研究家 畑中 三応子)

 

(KyodoWeekly6月10日号から転載)

 

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