「落語の森」梅雨なんざァ、笑いで

 

 そろそろ、うっとうしい時季。そこで落語の中でも「笑い」の多い「滑稽噺(こっけいばなし)」のお噂でしばらくの間、さわやかにお過ごしいただきましょう、という趣向。

 「滑稽噺」も「粗忽(そこつ)の釘」「牛ほめ」「道具屋」「雑俳(ざっぱい)」「やかん」「湯屋番」「千早振る」「青菜」「黄金の大黒」「看板のピン」「宿屋の富」「堀の内」とキリがない。

 まずは、「粗忽の釘」。演り手は多いが、三遊亭小遊三師・柳亭市馬師・春風亭一之輔師が楽しい。筆者も先代(五代目)春風亭柳朝師のスピーディーな高座を思い出しながら2、3年前から演っている。

 「牛ほめ」「道具屋」は典型的な前座噺。それを先代(四代目)春風亭柳好師、俗に言われる、川崎の師匠はノンビリとした口調でよく演っていた。もう40年も前になる。

 「道具屋」といえば与太郎さんが大活躍する噺で筆者も、甲府市内の高校の落語研究会(落研)当時に演じた。得意になって演っていたが、明治大落研に入って駿河亭雀志先輩が演じた見事な「道具屋」を聴いてしまってからは、演っていない。雀志先輩演じる与太郎さん、品があってそれでいてお茶目でそれは結構な「道具屋」だった。

 ご隠居さんが八っつぁんに俳句の手ほどきをする「雪てん」をサゲまで演っていたのが立川談志師。大概の人は、長いので途中で切って「雑俳」のタイトルで演っていた。十八番にしていたのが春風亭昇太師の師匠・柳昇師、「柳昇ギャルズ」と呼ばれた女性ファンの声援を受け、飄々(ひょうひょう)とフワフワと演じていた。

 

 楽屋が騒然!

 

 「やかん」、かつては先代(三代目)三遊亭金馬師や三遊亭圓生師のものだったが、談志師が「学問て何です?」「貧乏人の暇つぶし」、「努力は?」「バカに与えた夢」、「上品な人って?」「欲望に対するスピードがスローモーなだけ」と師のセンスをこれでもか、と詰め込んだ「やかん」を創り上げ、売り物にし、喝采を浴びた。

 「湯屋番」もおなじみの噺、演り手は多い。その昔、毒蝮三太夫氏が落語会にゲスト出演し、この噺を披露した。次に上がった柳家小三治師がナント、同じ「湯屋番」を演りだして楽屋が騒然!固唾(かたず)を飲んで見守っていると小三治師、涼しい顔で蝮氏が演ったクスグリ(ギャグ)をきれいに除けて演じ、客を沸かせたという逸話がある。

 「宿屋の富」、上方だと「高津の富」は先代(五代目)柳家小さん師・笑福亭松鶴師のものが秀逸だ。昨年聴いた立川志の輔師の工夫にあふれた「宿屋の富」には圧倒された。

 「堀の内」、橘家円蔵師と先代(十代目)桂文治師の高座が浮かぶ。もっとも文治師は「あわてもの」のタイトルで演っていた。明治大落研時代の後輩で、四代目紫紺亭志い朝だった、コメディアン・俳優の三宅裕司君が数年前の芝居で、この噺を六代目志い朝だった、お笑いタレントの渡辺正行君と楽しげにリレーで演っていた。

 その三宅君の「熱海五郎一座船上のカナリアは陽気な不協和音」公演は、ゲストヒロインにあのラスボス小林幸子さんを迎え、春風亭昇太師らと新橋演舞場(東京都中央区)で6月1日から28日まで開催される。爆笑、熱唱の圧倒的なエンターテインメントに乞うご期待!

紫紺亭 圓夢(しこんてい・えんむ)

 

(KyodoWeekly6月4日号から転載)


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