1月の映画

☆は五つ星が満点。映画製作の現場を長年取材している筆者の独断と偏見に基づき評価した。

 

 

 

「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(2017年12月15日公開)☆☆☆☆

今回の“裏主役”はルーク!

 本作は、前作「~フォースの覚醒」直後の話で、主人公のレイ(デイジー・リドリー)、フォースの暗黒面の担い手カイロ・レン(アダム・ドライバー)たちの“その後”を描く。

 この「続3部作」の表の主役はレイだが、「~フォースの覚醒」の“裏主役”がハン・ソロ(ハリソン・フォード)だったことから、2作目と3作目ではルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)とレイア姫(キャリー・フィッシャー)が裏主役となり、それぞれが「スター・ウォーズ」に決着をつけていくのでは…と勝手に想像していた。その想像通り、今回の裏主役はルークであった。

 今回、監督・脚本を担当したライアン・ジョンソンは「全ての『スター・ウォーズ』シリーズの根本は、子どもが思春期を経て大人になっていく過程で、自分の内面にある力に気付き、それをどう使うのか、誰を信頼するのか、新たな世界の中で自分の居場所をどう見つけていくのか、という地図のような物語だ」と語っていた。その言葉通り、今回は若さ故に思い悩むレイとカイロ・レンはもとより、ジェダイ・マスターとなりながら悟りが開けないルークの姿を前面に置き、互いの関わりを描くことで、シリーズに共通する“苦悩と成長”というテーマを浮かび上がらせた。

 さて、筆者のようなオールドファンにとっての本作は、やはり、ハミルとフィッシャーが「~ジェダイの帰還」(83年)以来、34年ぶりに共演を果たしたことに感慨深いものがあった。シリーズ開始当初は、兄妹役だとは明かされておらず、若い恋人同士のように見えた2人が、互いに年を取り、しわだらけになって同一画面上で対面している。しかもフィッシャーが本作の撮影後に急逝(きゅうせい)したことを思うと、再会を喜びながらも、時の流れを思い、寂しさを感じさせられたのは否めない。とはいえ、フィッシャーの死によって、第3部の展開は大きく変わるのか。レイたちのその後は…など、まだまだ興味は尽きない。

 

「キングスマン:ゴールデン・サークル」(1月5日公開)☆☆☆

英米のカルチャーギャップが面白い

 表の顔はロンドンの高級テーラー、裏の顔は世界最強のスパイ機関キングスマンのエージェントが活躍するスパイアクションの第2弾。

 謎の敵ゴールデン・サークルの攻撃によってキングスマンが壊滅。生き残ったエグジー(タロン・エガートン)とマーリン(マーク・ストロング)が、アメリカの同盟機関ステイツマンと合流して、敵と対決する様子が描かれる。

 本作の一番の見どころは、エグジーたち英国紳士と、アメリカの田舎者集団ステイツマンのメンバーが生み出す、カルチャーギャップ(信条、言葉づかい、服装、酒…)の面白さだろう。そして、もう一つの見どころは、エグジーとマーリン、そして前作で死んだと思われていたハリー(コリン・ファース)との擬似親子のような関係だ。まさか、彼らの姿を見ながらホロリとさせられるとは思ってもみなかった。前作よりもグロテスクな描写を抑え、登場人物のキャラクター描写を重視した姿勢に好感が持てる。

 

「5パーセントの奇跡~嘘から始まる素敵な人生~」(13日公開)☆☆☆

視力を失った青年がホテルマンに!?

 先天性の病気で視覚の95パーセントを失った青年サリヤ(コスティア・ウルマン)。彼は「5つ星ホテルで働きたい」という夢をかなえるため、障害を隠してホテルで見習いとして働くことになるが…。

 実話を基に、人間の持つ可能性の大きさを描いたドイツ映画。前半はホテルマンとしてのスキルを磨いていくサリヤの修業の様子をコミカルかつ軽快に描き、見る者を楽しませる。後半は、一転して、調子に乗り過ぎたサリヤの挫折や現実の厳しさも描かれるが、彼を取り巻く人々が総じて善人であるため、見ていて救われる思いがする場面が多々ある。頑固なサリヤが周囲の人々の善意に気付き、変化していく様子を見ていると、人は決して一人では生きていけないのだということを実感させられる。

 視覚障害者を見事に演じたウルマンはもとより、何かとサリヤの手助けをする親友役を演じたヤコブ・マッチェンツも好演を見せる。2人のコンビネーション演技も見ものだ。

 

「ジオストーム」(19日公開)☆☆☆

B級SF映画のにおいがぷんぷん

 世界中が度重なる自然災害に悩まされる中、地球の天候を制御する気象コントロール衛星“ダッチボーイ”が開発された。ところが3年後、衛星が暴走を始め、地球に再び危機が訪れる。

 題材の大きさの割には、あまりにも能天気な展開を見せる本作からは、昔のB級SFやパニック映画のにおいがぷんぷんする。キャストも、主演のジェラルド・バトラーは全く科学技術者には見えないし、弟役のジム・スタージェスは間抜けだし、エド・ハリスはお決まりの悪役で、太り過ぎのアンディ・ガルシアが大統領とは…。女性シークレットサービス役のアビー・コーニッシュの“男前”ぶりが余計に目立つなど、類型的な役柄を楽しそうに演じている彼らを見ていると思わず失笑させられる。

 とはいえ、本作は、もともと何かを訴える、告発するといった意図で作られてはいないのだから、娯楽作として割り切って見れば十分に楽しめる。ディーン・デブリン監督の強引な力業に注目だ。

(映画ライター 田中 雄二)

 たなか ゆうじ 1961年生まれ。著書に「人生を豊かにするための50の言葉~名作映画が教えてくれる再興の人生の送り方~」「外国映画女優名鑑」などがある。


K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

第98回天皇杯 トピックス

3回戦の結果(7月11日開催)

川崎フロンターレ 1-1(PK:4-2) 水戸ホーリーホック 湘南ベルマーレ 1-1(PK:4-3) V・ファーレン長崎 サガン鳥栖 3-1 徳島ヴォルティス ヴィッセル神戸 6-1 ジェフユナイテッド千葉 柏レイソル … 続きを読む

ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ