どこにも行けない今は、“コロナ後”の旅の計画が一つの楽しみ。行き先リストにまた一つ、加えておきたいところができた。ユネスコ暫定世界遺産に登録されているトルコ西部、デニズリの古代都市ラオディケアで行われている発掘・修復工事で、アウグストゥス帝時代、2000年前の季節と月を示す日時計が発見された。大理石の日時計の縁には葉っぱのモチーフがあり、このような遺物は珍しいという。
トルコ大使館によると、パムッカレ大学芸術科学部考古学科のジェラル・シムシェッキ教授が率いる発掘調査チームは、これまでも多くの重要な遺物を発掘してきた。今回の日時計は、ヘレニズム時代にさかのぼる通路で発見。四分の一の球体で、季節や月によって表示棒を見ることで一日の時間帯を特定することができたという。文字盤の上段にはギリシャ語で冬を意味するヒメリニ、中段に昼夜の平等を意味するイシメリニ、下段に夏を意味するセリニ、という文字が刻まれていた。シムシェッキ教授によると、このように時間を詳細に表示した日時計は、世界的にも非常に希少な標本の一つだという。
古代都市ラオディケアは、識字率が高く豊かで、芸術文化が発達した都市だった。ユネスコの世界文化遺産と自然遺産に登録されている世界的に有名なパムッカレの石灰棚まで車で25分、古代都市ヒエラポリスまで車で21分。トルコには昨年、約5,200万人の観光客が訪れている。