AI、ドローンで暮らし豊かに 大阪のUR団地、企業が実証実験
少子高齢化が進む、大阪市の大阪城東部地区にある都市再生機構(UR)の大型団地で、健康増進や暮らしの改善などを目的にドローンや人工知能(AI)を活用した、民間企業のプロジェクト実証実験が進められている。
2600世帯が居住する同地域は、全人口のうち高齢者が3割を超える一方、年少人口はわずか6%。少子高齢化の一方で、大学の誘致や大阪メトロの新駅設置計画が進んでいる。URは、大阪商工会議所と協力し、今後の発展を見据えたまちづくりの方向性を探るため、URの森之宮旧庁舎、森之宮団地(第2団地を含む2カ所)で実証実験を行う企業を今春に公募していた。
18件の応募があったうち、12件の実証実験が決定。10月下旬までに8社が団地住民参加のもとで開始された。
25、26日には、竹中工務店が、身長や年齢に応じた歩幅が分かる歩行促進プログラムを屋外に設置。ブレインインパクト(京都府)は、脳の健康状態を計測できるスマートグラス(めがね型端末)をかけて画像を見ることで、自分の脳の働きが良くなるコンテンツが分かる体験を住民に提供した。
熊本県の新興企業「歯っぴー」は、AIと小型カメラを活用して10数秒で歯科検査できるシステムで、各住民に合う口腔(こうくう)ケアを助言した。
実証実験は来年3月まで、企業ごとに期間を定めて行い、ドローンを利用した物流・施設点検や、二酸化炭素(CO2)削減装置などの実証実験も予定されている。
大阪商工会議所の担当者は、「企業には、仮説を実際にまちなかで検証することで、住民のリアルな声や意見を今後の開発に生かしてほしい」と話している。