弁当作りで気付いた「食べ物の命」 おいしい記憶の作文コン「弁当の日」表彰式

賞状を持つ受賞者と保護者ら関係者=東京都港区、2022年3月26日

 弁当作りなど料理体験の思い出を写真や絵を添えた作文で表現する小中学生対象のコンテスト「弁当の日おいしい記憶のエピソード」(株式会社共同通信社主催、全日本中学校技術・家庭科研究会共催)の表彰式が3月26日、東京都内であり、「弁当の日賞」を受賞した長野県安曇野市立三郷小6年、三澤樹生さんら受賞者に賞状が贈られた。

 2664点の応募作品の中から、個人17人、学校3校が受賞した。この日は特別賞を除く受賞者10人と受賞校代表者が出席し、いずれも審査員の「弁当の日」提唱者の竹下和男氏、キッコーマン執行役員の大津山厚氏、全日本中学校技術・家庭科研究会副会長の矢島加都美氏らから賞状や副賞を受け取り、それぞれ受賞の喜びを語った。

 「弁当の日賞」に輝いた三澤さんの作文「命とお弁当」は、農家の祖父や母親が家庭菜園で育てたキュウリやミニトマト、レタスなどの野菜を自ら収穫して作った色鮮やかなお弁当の写真を添えた作品。「すごいスピ―ドで成長する野菜」の姿に「野菜も生きていて命があるんだ」と気付いた驚きや、「時間がかかる」弁当作りの大変さをつづり、「食べ物は全部命があり、その命を食べさせてもらっている」と食の大切さを訴える。

「弁当の日賞」を受賞した三澤樹生さん(中央)と審査員の竹下和男氏(左)。右は三澤さんの母親。
「弁当の日賞」を受賞した三澤樹生さん(中央)と審査員の竹下和男氏(左)。右は三澤さんの母親。

 三澤さんは「僕より文章やお弁当作りが上手な人はたくさんがいると思うが、命の大切さをつづった点に共感してもらえたことがとてもうれしい。これからもおじいちゃんを手伝う」と喜びを語った。

 「小学生の部キッコーマン賞」を受賞した富山県高岡市立千鳥丘小1年、坂東瑞月さんの作文「わたしのおいしいたまごやき」は、単身赴任中の父親のために「おいしくなあれ」と言いながら卵焼きを作った思い出をつづる。オンライン画面越しに卵焼きを食べて喜ぶ父親の姿を見て「おとうさんの“おいしいかお”がみられるようにまたつくってあげたい」と卵焼き作りが報われたうれしさを記す。添えたのはお母さんと一緒に台所に立つ自身の姿を描いた絵。

 「中学生の部キッコーマン賞」に選ばれた岡山県倉敷市立真備東中2年、矢田菜々穂さんの作文「『ひーぼー』のお弁当」は、胃潰瘍で体重が5キロ減った“ひーぼー叔父さん”のために栄養バランスに気を配って作った弁当作りの体験をつづる。弁当を食べた叔父がその後「人間ドック」を予約し「栄養バランスを考えた食事の配送サービスの利用」を検討するようになったことを知り、「私の思いが通じた」と喜び、思いが通じる愛情がいっぱいのお弁当は「素敵な贈り物だ」と結ぶ。添えたのはその時作った愛情いっぱいのお弁当の写真。

 「日清オイリオ賞」に選出された広島県福山市の英数学館中3年、寺迫桃花さんの作文「祖父に贈るお弁当の日」は、食べ物に「どばどばとごまドレッシングをかける」糖尿病の祖父のために、「酢の酸味やごま油の風味を利用」し「塩分が少なくてもおいしく食べる工夫」をして初めて作ったお弁当を、祖父が「ごまドレッシングに手を触れずに」食べてくれた大きな喜びを述べる。祖父の好物「酢豚」の入った“工夫お弁当”の写真を添えた。

 「共同通信社賞」の愛媛県宇和島市立番城小3年、有賀海風さんの作文「おべん当作り、始めるよ!」は、卵焼きを作る「ジュージューカチャカチャ」、おにぎりを握る「ギュッギュッギュッ」など、お弁当作りのにぎやかな楽しさを擬音で巧みに表現した作品。弁当のおかずをすべて説明した絵を添える。

 「全日本中学校技術・家庭科研究会賞」に輝いた東京都の晃華学園中3年、長瀬友生さんの作文「ありがとう」は、自分で弁当を作ることであらためて再認識した、毎日弁当を作ってくれる母親への感謝を語る。「お弁当を食べる時、私たちは食べ物の栄養だけでなく作ってくれた人の想いも一緒にいただいている」と「お弁当の持つ力」を教えてくれる。母親への感謝を書いたメッセージカードなどの写真を添えた。

 「CGC賞」に選出された福岡県大牟田市の明光学園中2年、森桜咲さんの作文「お弁当リレー」は、祖母から母に受け継がれている「秘伝のレシピ」の味を知り、自身もリレーを受け継ぎたい、と思った瞬間をつづった。「私の子どもや孫に伝えて“お弁当リレー”をつなげていきたい」との決意も語る。添えたのはハート型のウインナーなどを盛り合わせたお弁当の絵。

 講評を述べた審査員の竹下和男氏は「受賞を心の糧にしてこれからも前に向かって歩みを進めてほしい」と弁当作りを通して食べ物の大切さなどさまざまのことを学んだ受賞者の今後の成長に期待を寄せた。

 審査員の大津山厚氏は「皆さんの作文を読んでいると幸せな気分になる。食は作る人、食べる人を幸せにする。食を作る、食べる、話す、そして書くことを今後も続けて、“おいしい記憶”をたくさん作ってください」と呼び掛けた。

 審査員のドキュメンタリー映画「弁当の日」監督の安武信吾氏はメッセージを寄せ、「作文からは家族の笑顔、平和な日常が浮かぶ。相手を思って料理を作ることは万国共通の平和への道しるべになる」と平和な日常を生む、お弁当作りの意義を強調した。

 「特別賞」は次の皆さん。羽原大翔(岡山県、岡山大学教育学部付属小1年)▽百都ゆいな(新潟県新発田市立御免町小4年)▽渡邉禮弐(長野県安曇野市立穂高南小5年)▽辻野柳カミル(東京都江戸川区立上小岩第二小6年)▽向井結渚(鹿児島県枕崎市立枕崎小6年)▽栗田遼人(宮城県仙台市立仙台青陵中等教育学校1年)▽堀山直浩(札幌市立向陵中2年)▽前岡里奈(東京都町田市立薬師中2年)▽佐々木蒼(福岡県春日市立春日西中2年)▽織田すみれ(東京都、晃華学園中3年)

 「学校賞」は次の3校。東京都江戸川区立平井西小学校▽東京農業大学第一高等学校・中等部(東京都)▽沖縄県宜野湾市立宜野湾中学校

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