懸賞作文「しんくみ大賞」は兵庫の山田のりこさん 全国信用組合中央協会の「小さな助け合いの物語賞」

しんくみ大賞を受賞した山田のりこさん(写真右)と全国信用組合中央協会の柳沢祥二会長。
しんくみ大賞を受賞した山田のりこさん(写真右)と全国信用組合中央協会の柳沢祥二会長。

 東日本大震災で「絆」の大切さが確認された一方、新型コロナウイルスの感染予防で、人と人との距離を取ることが求められ、街で困った人を見掛けても以前のように、気軽に声を掛けるのが難しくなったようだ。そんな中、一般社団法人全国信用組合中央協会(東京)が実施している懸賞作文「小さな助け合いの物語賞」は、改めて見知らぬ人同士の「触れ合い」の温かさを感じさせてくれる。

 今年で12回目を迎えた「小さな助け合いの物語賞」は「誰かに助けてもらった感謝の気持ち」「人を助けることで感じた幸せ」などの体験についてのエピソード(物語)を募集。全国から1362編の作文が寄せられ、このほど入賞作が決まった。

 10月15日に東京都千代田区の経団連会館で開かれた第57回全国信用組合大会で、物語賞の「しんくみ大賞」「しんくみきずな大賞」各1編、18歳以下に贈られる「未来応援賞」2編が発表され、元AKB48で女優の宮澤佐江さんが登壇し、4編を朗読した。

受賞作を朗読する女優の宮澤佐江さん。
受賞作を朗読する女優の宮澤佐江さん。

 「しんくみ大賞」に選ばれたのは、兵庫県・山田のりこさん(56)の「もらったバトン渡してるだけ」。山田さんは、7年前に突然、重症筋無力症という難病に襲われ、当時高校1年だった娘の弁当を作ることができなくなった。娘の友達の母親から「一つ作るのも二つ作るのも一緒」との連絡をもらい、娘の弁当をつくってもらった。山田さんは、その後回復し、今度は次男の同級生の母親が末期がんになり、同級生の分まで弁当を作ってあげたという体験について「思いやりのバトンを渡しただけ」とつづった。

 「しんくみきずな大賞」は、徳島県・渡辺惠子さん(62)の「夫に会わせてくれた人」。夫と伊勢神宮に行った際に人混みの中で夫とはぐれてしまい、途方に暮れていた時、聴覚障がい者の男性が「渡辺惠子 ココにいます!」と大きく書いた包装紙を通りでかざして夫を探してくれた5年前の体験を書いた。

 表彰式を終えた山田のりこさんは「作文は1時間ぐらいで一気に書いた。(受賞は)末期がんで亡くなった同級生の母に導かれたのかも」と静かに喜びを表した。渡辺惠子さんは「感無量です」と喜ぶ一方「あのとき助けてくれた男性がコロナ禍でどうしているか気になります」と語った。

 「未来応援賞」は、東京都の都立北園高3年、中村日向子さん(18)の「パスケースの中の千円」と、東京都の藤村女子中、原口理央さん(14)の「当たり前の道がありがたい」がそれぞれ選ばれた。

 このほか、「ハートウォーミング賞」11編が選出された。

 ハートウォーミング賞は以下の通り。(敬称略)

佐野 由美子(三重県)「思いやりの連鎖」

藤井 啓子(兵庫県)「思いやりの四つ角」

小松﨑 有美(埼玉県)「マークとまなざし」

村上 咲子(神奈川県)「異国の列車から日本の街角へ」

山本 築(福岡県)「垣根」

森高 雪菜(埼玉県)「小さな光がつなぐ未来」

仲間 朱梨 (大阪府・大阪芸術大学短期大学部1年) 「温かい人」

栗林 華(東京都・学習院女子高2年)「毛糸玉」

手嶋 伊津希(福岡県・東明館中学2年)「男の子が教えてくれたこと」

川村 真絢(青森県・むつ市立田名部中学)「月山で」

福田 俊紀(大阪府)「誰かとつながっている」

 入賞作は全国信用組合中央協会サイトに掲載している。

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