古くなった野球のグラブを修理して安い価格で販売、新たな選手が再使用する循環システムで、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献する取り組みを、関東地区大学準硬式野球連盟が始めた。実際に修理を担当するグローバルポーターズ社(東京)と3月2日、産学連携契約を締結した。社会に貢献したいという思いの下、時代の要請と身近な周囲を結びつける学生の柔軟な発想が形になった。
次は金属バットの再生
準硬式の関東地区連盟には73大学、約3,000人の学生が登録している。スポーツを楽しむクラブ活動という意味合いが強い準硬式では、高価な用具を長年大事に使う選手が多い。連盟では廃棄寸前のグラブや、使わず自宅で眠っているグラブを回収してグローバルポーターズ社に送る。同社ではこれを修理、再生して新たな選手に使ってもらう。グラブは牛の革を使っているため、上質な天然資源を長く使えることにもなる。同社の米沢谷友広代表によると、グラブ外側の修理に加え、手を入れた時の手のひらの部分の裏革、甲が当たる部分の柔らかいムートンを替えることで、新品と同じような感触になるという。
今回はグラブだが、すでに第2弾として金属バットの再生の研究も進めているという。秋田商高、神奈川大と強豪校でプレーしてきた米沢谷代表は「誰かの思いがこもったグラブを、新しく始める子どもたちに使ってほしい」と希望を託す。
社会性学ぶ機会
関東地区連盟の山田善則理事長は「われわれは学生が主体となって運営するリーグ。野球を楽しむと同時に、社会性を学ぶことも大事。学生から今回の計画を知らされた時は、素晴らしい取り組みだと思った」という。梅田智司・学生委員長も「SDGsを理解することは、社会性を養ういい機会。準硬式をアピールすることもできる」と取り組みの狙いを話した。
