【この人に聞く!】1人の100歩より、100人の1歩 豊かな海&社会を目指す「UMINARI」代表・伊達敬信さん(2)

国際会議で講演する「UMINARI」代表の伊達敬信さん。
国際会議で講演する「UMINARI」代表の伊達敬信さん。

■プラスチック類であふれる日常生活

 スーパーやコンビニで買い物をすると、野菜・果物・肉・パン類など何を買っても、必ずといっていいほどプラスチック製の袋や容器に入っている。耐久性があり、ものを保存するには便利なプラスチックだが、買い物をして帰宅後、わりと早い段階でそれらのプラスチックは“ゴミ”となってしまっていないだろうか? 日々の暮らしの中で、私たちはかなりの量のプラスチックゴミを出している。そして日本は、一人当たりのプラゴミ排出量が世界で2番目に多いといわれている。

 リサイクル率が低いなどプラゴミにはさまざまな問題があるが、その中でも近年クローズアップされている問題が世界中を漂う海洋プラゴミだろう。毎年800万トンものプラゴミが海に捨てられているといわれ、このままのペースで増え続けると、2050年には海洋中を占める魚の量よりもプラゴミの方が多くなるという予測もある。地球温暖化問題とともに、プラゴミ問題も待ったなしの状況にある。このような中、積極的に海洋ゴミ問題に取り組んでいる若い世代がいる。NPO法人「UMINARI」を設立したZ世代の伊達敬信(だて・たかのぶ)さんだ。

千葉で行ったBeach cleanで集まったゴミ。
千葉で行ったBeach cleanで集まったゴミ。

 伊達さんが海洋ゴミ問題に目を向けるようになったのは大学2年生の時。最初に実行に移した活動は海岸でのゴミ拾いだった。意識して海を回ってみると、落ちているゴミの量は意外と多かった。海外の友人らがよく「日本はきれいだよね」と言っていたのを思い出し、日本の現状を発信するだけでも価値があるのでは、とInstagramでの写真投稿を始める。フォロワーはすぐに1,000人、2,000人と増え、この問題に対する関心の高さを知る。同時に、オフラインでも活動を始めようと大学の知り合いに声をかけ、2017年11月、9人で「UMINARI」をスタートさせる。

■問題を知ってもらうことからの一歩

 オフラインで最初に行ったのは「教育」。「多くの人が海洋ゴミという問題自体を知らない。倫理観を育てるためにも、自分たちより下の世代へ働きかける必要があると思った」と伊達さんは話す。もっとも、実績のない団体がいきなり教育委員会などに行っても相手にされないと考え、アプローチした先は伊達さんの母校である千葉県の小学校。1年生と5年生に授業を行ったところ評判がよく、次々と講演先が広がっていった。今では大学や企業でも講義・勉強会を開催するUMINARIのメイン事業の一つだ。この「教育(Education)」と、海でゴミ拾いを行う「Beach clean」、そして新しい事業である「Lifestyle design」が現在の主な活動になっている。

小学校で海洋ゴミ問題について授業を行う伊達さん(前方右側)。
小学校で海洋ゴミ問題について授業を行う伊達さん(前方右側)。

 「僕自身、20歳でこの活動を始めるまでは環境問題に一切興味がなかった。だからいつ始めても遅くはない。と同時に、いつ始めても早すぎるということもない。」というのが伊達さんの持論。若い世代である自分たちから変化の波が広がっていくことを目指している。プラゴミ問題は特定の一人や一企業だけに責任があるのではなく、社会全体で取り組むべき課題。そのためには、“1人の100歩よりも、100人の1歩”が大切だ。

 Part3では、活動の詳細や伊達さんの思いを取り上げる。

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