【この人に聞く!】 Clean Beautyを実践する「ファーメンステーション」代表・酒井里奈さん(Part2)

Fermenstation商品のラインアップ。
Fermenstation商品のラインアップ。

 野菜や果物、魚介類などの食べ物の場合は、その産地や生産者を気にして商品を購入する人は多いと思うが、日々使用している化粧品や洋服の場合はどうだろう? その化粧水に使われている原料が、どこで・誰によって作られたものであるかを気にしたことは? 研究開発型の企業「Fermenstation」(ファーメンステーション・東京)は10月初旬、肌に優しいのはもちろん、生産情報を追跡することができる“トレーサブル”なアルコールスプレー「Hand Spray Fresh Breeze」(無香料)を発売した。価格は税別2,300円。

 ファーメンステーションの代表、酒井里奈(さかい・りな)さんは、「かなり画期的な商品だ」と自信をのぞかせる。そもそも国産のアルコール(エタノール)原料が珍しい中、ファーメンステーションでは岩手県奥州市の自社研究所で製造したアルコールを使用。その製造工程はトレーサブルで、生産者や生産日が分かる有機米を発酵・蒸留させて濃度の高いアルコールを抽出している。このアルコールは2018年に有機JAS認定を受けていて、国内初の「オーガニック玄米を原料としたエタノール」でもある。

Fermenstation代表の酒井里奈さん。
Fermenstation代表の酒井里奈さん。

 ファーメンステーションの独自性はこれだけにとどまらない。循環型の社会を目指す同社では、アルコールの製造過程で発生する発酵粕(かす)を化粧品の原料・家畜の飼料に再活用するなど、ゴミ(廃棄物)を出さないサステナブルな製造サイクルを実践している。また、放置しておくと病害虫の発生源になることがある休耕田のほか、果物の搾りかすや規格外で廃棄に回ることが多い野菜など、活用されていない「未利用資源」を原料に使った商品開発を行っている。その一例が、JR東日本の子会社である「JR東日本スタートアップ」(東京)と共同開発した「MUSUBI青森りんごで作ったエタノール配合ルームスプレー」(同1,950円)と、「MUSUBI青森りんごで作ったエタノール配合ディフューザー」(同2,150円)だ 。いずれも、青森県産のりんごの搾りかすから抽出したエタノールを使用。ここでも、エタノールの抽出過程で発生する発酵粕を家畜飼料に利用するサステナビリティを目指している。

奥州ラボで製造過程を説明する酒井さん。
奥州ラボで製造過程を説明する酒井さん。

 「ゴミゼロやサステナビリティは専門的で、(捨てられる運命にあった)りんごの絞りかすを使っていることに関心を持ってもらうのは難しい。でも、この商品を買ったら(社会全体の)ゴミを減らせる。この商品を使ったらより多くの休耕田が活用される。このようなことに共感してくれる消費者を増やしたい。説教くさくはしたくないが、諦めずにアピールしていくしかない」と酒井さんは語る。ファーメンステーションの試行錯誤は、今後も続く。

Miyuki O.

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