1991年に放送された、トレンディドラマの金字塔「東京ラブストーリー」(平成版)。今春から、29年ぶりにリメークされた「Tokyo Love Story」(令和版)が、インターネット有料配信でスタートした。来週の最終回を前にオーヴォ編集部は、「令和版『Tokyo Love Story 』、あなたの評価は?」という調査をしてみた。
調査は、J:COMの投票機能を使って5月11日~18日に実施し、男女355人から回答を得た(コア層35~49歳)。回答は「平成版の方が良かった」(51%)、 「それぞれおもしろい」(42%)、「平成版より良かった」(7%)と続き、「平成版より良かった」という人は少数派だった。
ドラマ“東ラブ”と言えば恋愛のすれ違いや心の機微を軸に描いた恋愛ドラマ。スマホが登場する令和版では、平成版で鈴木保奈美と織田裕二が演じたリカとカンチの掛け合いやすれ違いが体現できるのか、などと令和版を不安視する声もネットに上がっていた。しかし、そんな不安もよそに、一話を見て平成版とは全く違う世界観に一気に引き込まれたという人は多いのではないだろうか。「ショムニ2013」、「ゆるキャン△」(実写版)を手掛けた、脚本家の北川亜矢子による令和版は、漫画原作をデフォルメしてきれいに描いていた平成版に対して、柴門ふみが描いた原作のストーリーに寄せている。ゆえにリカ(石橋静河)の感情の起伏の激しさ、カンチ(伊藤健太郎)の優柔不断さ、三上健一(清原翔)、関口さとみ(石井杏奈)の弱さやずるさのコントラストがより濃く描かれている。
伝説的な視聴率をたたき出した平成版のリメーク作とあって、石橋をはじめとした若手俳優たちには相当なプレッシャーがあったはずだが、その演技力には驚くべきものがある。特に、難しい役どころのリカを見事に演じた石橋の演技力が際立っていた。俳優の石橋凌と原田美枝子の娘である石橋は、映画『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017)で数々の新人賞の受賞した実力派俳優。本作でも光る演技を見せた彼女の、今後の活躍が楽しみだ。
そして、27日に放映された最新10話では、ついにカンチがリカとの別れを決心し、別れを告げることに。しかし、そこからは平成版では描かれなかった衝撃の事実が判明し、最終回へと続いていく。
アラフォー世代以上の人に鮮烈なインパクトを与えた平成版と、ネット有料配信ならではのストーリーとなった令和版。両作の比較論争はしばらく続くのかもしれない。しかし、コロナ禍によりドラマ放送延期が相次ぐ中、単なるリメーク作ではなく名作ドラマとして、本作が外出自粛中の多くの視聴者の、一時の清涼剤となったのは間違いないだろう。