近年、流行の「グランピング」。グラマラス+キャンピングの造語で、冷暖房が完備された宿泊棟で楽しめるキャンプ体験のことだ。この気軽さが人気のグランピングを体験するべく、OVO取材班は高知県室戸市へ。同地で2月にオープンした、全国的にも珍しいコンテナハウスを利用したグランピング施設「MUROTO base 55」を、実際に利用してみて感じた魅力を紹介したい。
■室戸観光の新しい拠点「MUROTO base 55」
四国の右手、太平洋に突き出した室戸岬にある室戸市は、黒潮の恵みを受けた豊富な鮮魚や、世界ジオパークに認定された美しい海岸線が大きな魅力。夜に光り輝く満天の星空は、闇夜にきらめく宝石箱のようだ。東京から室戸へのアクセスは、飛行機で高知龍馬空港まで約1時間。そこから土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線で、終着駅の奈半利(なはり)まで約1時間。さらにバスに乗り換え、約30分で到着だ。決してアクセスがよいとはいえないが、近年は、廃校となった小学校を活用した「むろと廃校水族館」がオープンし、約2年間で全国14万人超が訪れるなど、盛り上がりを見せている。
そんな室戸観光の拠点としての役割を期待されているのが、「MUROTO base 55」。「旧ライダーズイン室戸」(ツーリングライダーのための宿泊施設)のロビー棟や宿泊棟を生かしつつ、新たにコンテナハウス(宿泊A棟)を導入し、グランピング施設としてリニューアルしたものだ。同施設は地元企業に管理・運営を任せ、地元雇用の創出、地元産の食材使ったメニューの提供で地産地消を行い、地元還元型のビジネスモデルを構築している。また施設のアイコンとなっている、宿泊棟のコンテナハウスも高知県内の業者が設計から製作・施工までを行い、とことん“MADE IN KOCHI”を目指した。
2月21日に行われたオープニングセレモニーで、室戸市の植田壯一郎市長は「『MUROTO base 55』はIKEA(大手家具量販店、以下イケア)がインテリアコーディネートした待望のグランピング施設。毎朝、新鮮な魚が水揚げされている室戸で、豊かな食と自然を楽しんでほしい」とアピール。
おすすめの観光スポットについては、「ユネスコ認定のジオパーク、海岸断層、そして室戸岬灯台から見る『だるま夕日と朝日』(水蒸気などの気象条件よって太陽がだるま型に見える現象)。スーパームーンの時には、月までがだるま形に見えることもあります。人工的に作ることができない室戸の大自然を満喫してください」と、室戸の魅力を語った。