ボランティア育成は大詰め オリパラ、新型コロナで日程に遅れも

ボランティアのユニホーム一式
ボランティアのユニホーム一式

 順調に進んでいる東京オリンピック・パラリンピックの開催準備に、新型コロ ナウイルスによる肺炎拡大の恐れが影響し始めた。大会運営を会場の内外で支え るボランティアの育成も、2月下旬に予定していた共通研修会が5月以降に延期 された。対象は約2700人で、全体の8万人から見れば割合は低いが、大会組 織委員会の担当者は「大きな障害はないものの、いろいろな予定が後ろに詰まっ ていく」と心配している。

▽3月から会場、役割の割り振り

 3月から「マッチング」と呼ばれる担当する会場や競技、役割の割り振りを開 始。組織委員会の意向とボランティア各個人の希望が合致すれば、担当する役割 に応じた実戦的な研修を始め、5月にはユニホーム一式を配布する。さらに6月 には会場別研修も行われる予定で、7月24日からのオリンピック本番を迎える。 2019年秋から始まった共通研修は全国11都道府県で開催され、オリンピック・パ ラリンピックの基本を理解し、東京大会の概要を学び、障害者ボランティアの経 験談を聞いたりして、ボランティアとしての基本マインドを醸成してきた。

 組織委が募集した大会ボランティアは「フィールドキャスト」と呼ばれ約8万 人。競技会場、選手村、その他大会関連施設が活動場所で、国籍は日本が88%、 外国籍が12%(約120の国と地域)。男性が39%で女性が61%。年代別 では10代17%、20代16%、30代12%、40代19%、50代22%、 60代12%と、各年代にバランスよく分かれている。東京都など会場の自治体 が募集した都市ボランティアは「シティキャスト」と呼ばれ、空港や駅、観光地、 会場の最寄り駅周辺、ライブサイトなどが活動場所になる。

研修会では隣席の人と自己紹介から
研修会では隣席の人と自己紹介から

 今回、採用されたボランティアのユニホームは白地に青の模様が鮮やかで、見 た目も涼しげだ。研修会場にはユニホームが展示され、参加者も自らが着用した 姿想像し気分を高めていた様子。本番の数日前からは、このユニホームに身を包 んだボランティアが街に現れ、祝祭ムードは一気に高まるはずだ。

▽自分の対応で印象が変わる

 東京で研修を受けた会社員の安井大介さん(46)は「研修を受けて一体感も 生まれわくわくしてきた」という。安井さんは2008年の北京大会にボート競 技に日本チームのスタッフとして参加したこともあり、ボート会場の担当を希望。 「北京ではこんな大きな歓声が聞こえる大会があるのかと感動した。東京でも一 人でも多くの人に味わってもらいたい」と力を込めた。

ボート会場担当が希望という安井さん
ボート会場担当が希望という安井さん

 東京大会のゴールドスポンサーでもあるJXTGエネルギーでもボランティア に応募した社員が研修を受けた。野崎真実さんは得意の語学を生かし案内や式典 担当を希望しているが「ボランティア活動中の自分の対応一つで大会全体の印象 が左右されてしまいかねない点は大変そうだと思います。常にボランティア代表、日 本人代表という意識をもって活動するよう心掛けたい」と気を引き締めた。前回 の東京大会が開かれた1964年生まれという大江優香さんは「ボランティアは とてもやりがいのあることだと感じた。外国語や手話などとの言葉の壁は、 ジェスチャー、表情、絵を描くなどで気持ちが伝わることも学び、不安が楽しみに変わ りました」と研修の成果を挙げた。

▽根付くかボランティア文化

 組織委員会でボランティアに関する業務を担当している藤井友紀・人材開発課 課長は「ボランティアは楽しんでくれればいいと思う。楽しいからやる、できる ことをやる、というボランティア文化がオリパラ後も根付き、いろいろな分野でボラ ンティア活動に励んでもらえればと期待しています」と話した。ただ、周到な準 備もコロナウイルス危機によるスケジュールの混乱は予想外なだけに「何とか予 定通り大会が開催できればと願うだけです」と祈るような気持ちでいる。

組織委でボランティア育成を担当する藤井さん
組織委でボランティア育成を担当する藤井さん
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