特色あふれるパラの採火式 古代の火起こし、現代のデジタル

2016年9月、リオデジャネイロ・パラリンピックの聖火リレー(ゲッティ=共同)
2016年9月、リオデジャネイロ・パラリンピックの聖火リレー(ゲッティ=共同)

 東京2020パラリンピック(8月25日~9月6日)の聖火は、パラリンピッ ク発祥の地、ストーク・マンデビル(英国)のほか、日本国内の各地でも採火さ れ、その火が東京に集まる。採火式が行われるのは全国約700の市町村で、採 火の方法は自由。このほど、一部の方式が東京大会の組織委員会から発表された が、古代の火起こしの術を再現したり、火がモチーフになっている有名施設から 点火したりと、土地柄に合わせた特色あふれる方式がそろった。

▽沖縄は真夏の太陽光

 オリンピックの聖火リレーは、ギリシャでの採火式に始まり、日本国内のリレー と、注目度を高め本番前の盛り上げに貢献している。パラの聖火リレーも規模こ そ及ばないが、リクシルがプレゼンティングパートナーとなり、JXTGエネル ギー、全日空がサポーティングパートナーとして、初対面の3人が1組になり走 るなど特色を打ち出している。中でも全国的な広がりを持つ採火式が最大の特徴 だ。今回発表された中では、縄文時代の火起こし術の再現が各地で行われる。そ のほか鹿児島市では種子島火縄銃保存会の活動家が火打ち石を使い、宮崎市では 巨大なフェニックス(不死鳥)の画像から噴き出す炎で採火するように見せるデ ジタル方式で、沖縄県の宜野湾市などでは太陽光から採火する。

▽広島は平和の灯から

 岩手県の陸前高田市では東日本大震災のガス灯モニュメント「3・11希望の 灯り」から、広島県では広島市の平和記念公園で燃え続けている「平和の灯(と もしび)」から採火。茨城県では、昨年秋の台風19号の影響で開催が中止され た全国障害者スポーツ大会(いきいき茨城ゆめ大会)で掲げられるはずだった炬 火を復活する。  会場もさまざまで、三重県の伊勢神宮、鳥取県の鳥取砂丘、佐賀県の吉野ケ里 歴史公園でも採火式が行われる。青森県では三内丸山遺跡で採火された火を集め る集火式を行う。神奈川県は横浜市の赤レンガ倉庫広場が、長野県は1998年 長野冬季オリンピックのスピードスケート会場だったエムウェーブが集火式の会 場になる。

 パラリンピックの競技を開催する東京都、千葉県、埼玉県、静岡県以外の道府 県は8月13日から17日の間に採火式を行う。ちょうど「お盆」の時期に当た り、送り火や灯籠流しなどで火に関するさまざまな風習や儀式が行われる。まだ 方式を決めていない市町村も多く、今後、さらに多様な採火方式が採用されるこ とも予想される。

▽身近な火が聖火に

 東京大会組織委員会でオリ・パラの聖火リレーを担当している河村裕美さんは、 全国で行われる採火式がパラリンピックをより身近にさせるという。「パラリン ピックのリレーは本当に自由。ロボットが採火しようが、デジタルだろうが全く かまいません。自分が着けた火が最後は東京に集まって、開会式の聖火になる。 わくわくしませんか」と魅力を話し、同僚の石橋和之さんも「日本伝統の火が自 分の町から始まって東京へ行く。すごく親近感が湧くと思います」という。

 千葉、埼玉、静岡の3県では18日から21日まで、採火式のほか聖火リレー も行われる(東京都は21日から25日まで)。前述の通り、リレーは初対面の 3人が1組になり、オリンピックと同じ形で色がピンク色のトーチを使用する。 ユニホームは尾花大輔さんがデザインし、白地にゴールデンイエローの市松模様 が配してある。ゴールデンイエローは「光」をイメージしている。オリンピック の熱狂とも異なる身近な高揚感の中で、共生社会に思いをはせるパラリンピック の聖火が街を巡る。

聖火ランナーのユニホームを前にトーチを手にする河村裕美さん(右)と、石橋和之さん
聖火ランナーのユニホームを前にトーチを手にする河村裕美さん(右)と、石橋和之さん
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