仮想空間上に「住みよい街と未来の家」を作る 茨城県つくば市の小学校でプログラミングの公開授業が行われる

仮想空間上に住みよい街と未来の家を作る子どもたち
仮想空間上に住みよい街と未来の家を作る子どもたち

 2020年度から全国の小学校でプログラミング教育が始まる。プログラミング教育は、AI(人口知能)やVR(仮想現実)ブロックチェーン、自動運転など第4次産業革命と呼ばれる技術革新が世界規模で進む中、必要な情報を活用し、コンピュータに意図した処理を行わせるための論理的思考力を育み、さまざまな社会課題の解決に取り組む人材の育成を目的としている。

 来年度から始まるプログラミング教育の実施に先駆け、文部科学省と総務省、経済産業省は、2019年9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間」と位置づけた。

 「未来の学び プログラミング教育推進月間」は、小学校と協力企業が連携し「総合的な学習の時間」を使ってプログラミング学習を行うもの。協力企業は「企業訪問」「講師派遣」「教材提供」により、子どもたちの学習をサポートする。企業による最先端の取り組みを知ることで興味・関心を高め、子どもたちが各自で設定した課題解決に対し、実際にプログラム開発を行うことによって、来年度から始まるプログラミング教育の機運を醸成していく狙いだ。

 各地の小学校でプログラミング授業が実施される中、茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校は、積水ハウス(株)の協力のもと、「みんなの家!未来の家!」をテーマに、仮想空間上に住みよい街や未来の家を作っていく学習が実施。11月1日に公開授業と校内発表会が行われた。

■先進的ICT教育、SDGs教育を実践するみどりの学園

 みどりの学園は、「世界のあしたが見える学校」を教育目標とし、未来の世界を自ら創り上げていくために必要な21世紀型スキルを身に付けるカリキュラムを開発している。9年間を通して、発達段階に応じたICT教育、プログラミング教育、STEAM教育(科学、技術工学、数学、芸術を統合的に学習)、英語教育、アクティブ・ラーニングなどを展開。「協働力」「言語力」「思考・判断力」「プログラミング的思考」「知識・理解力」「創造力」「市民性」を身につけ、夢と希望のある豊かな社会を創造できる人間の育成を目指した小中一貫校だ。全学年でプログラミングを学び、電子黒板やデジタル教科書など最先端のICTを活用した同校は、学校情報化優良校にも認定されている。

 

■最新の住宅展示場を見学し、未来の家を考える

 同校で行われた「みんなの家!未来の家!」授業は、「総合的な学習の時間」で行われ、総時数は35時間。身近な家や日常生活に組み込まれている技術を知ることからスタートし、現在の家の構造や機能を学習。そして、6年生全員で積水ハウスの「住まいの夢工場(茨城県古河市)」を訪れ、住まいの先進技術やIoT技術を使った未来の家を見学した。

 子どもたちは、家を取り巻く最新のIoT技術に触れた後、センサーやロボット、ブロック、ドローン、スクラッチなどを使ってプログラムを開発。技術が家や生活にどのように活用されているか理解を深め、それまでの学習によって得た知識を取り入れて「環境にやさしい家」「安心して暮らせる街」「笑顔が増える家」といったテーマを各班で話し合った。さらに、Minecraft(ブロックを配置し建築を楽しむことができるソフトウェア)を使用して、仮想空間上に未来の街や家を共同で制作していった。

 

子どもたち考案の未来の家①
子どもたち考案の未来の家①
子どもたち考案の未来の家②
子どもたち考案の未来の家②

 
■子どもたちが仮想空間上に住みよい街や未来の家を作る

 「空中に浮かぶ、災害に強い家」など、子どもたちは豊かな発想で家や街を創造する。そして、SDGs(持続可能な開発目標)教育も実践している子どもたちは、環境や少子高齢化などの社会課題に対応した施設や機能が至るところに組み込まれているのが特徴だ。

班で作った家の構造や仕組みを説明
班で作った家の構造や仕組みを説明

 「暑さや寒さから室内を快適にする仕組み」「在来樹種を使用した自然との共生」「高齢者や車イスに配慮したバリアフリーや自動ドアの設置」「ユニバーサルデザインの採用」「家族のつながりが深められる間取り」「太陽光など自然エネルギーを活用した家」「テレポーテーション機能を使ったエレベーター」「自給自足を目的とした家庭菜園」「少子高齢化に対応した無人の銀行」。社会・環境課題に向き合い、子どもたちが創意工夫して作った街や家は、驚くほど完成度が高い。

「笑顔が増える家」って?
「笑顔が増える家」って?

 「笑顔が増える家」をコンセプトに、プログラミングによって家を作った班の子どもたちは「みんなで話し合って決め、満足できる家ができた。実際に見学した家を参考にプログラミングを行い、未来の人が心地よく過ごせる家になった。みんなが集まれるような大きなお城がある街も作ってみたい」と笑顔で語った。

 みどりの学園・毛利靖校長は「今回の授業では、大人が考えもしないような子どもたちの発想力を大切にした。子どもたちは一人ひとり、課題意識を持って主体的に取り組み、授業の目的と内容を全員が答えられるようになっていた。実際の家づくりを見学することで、空想の世界だけでなく現実的でさらに発想力を高めることができたと考えている。今後もプログラミング教育に力を入れていきたい」と子どもたちの成長に手応えを感じていた。

 社会の問題を解決し生活を豊かにするために使われているさまざまな技術。プログラミング教育を通して、その仕組みを理解し使いこなす。それによって得られた論理的思考と技術力、柔軟な発想によって、社会課題の解決に意欲的に取り組む子どもたちには、きっと明るい未来が待っている。

PR特別企画
スポーツ歴史の検証
スポーツ歴史の検証
TAFISAワールドコングレス2019

K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

矢野経済研究所
ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ