広島で被爆の線路敷石をモルドバに 首都キシニョフで贈呈式

梅本道生ひろしま・祈りの石の会会長(左)と握手するモルドバ共和国のモニカ・バブク教育・文化・研究相(中央は「祈りの石」)。
梅本道生ひろしま・祈りの石の会会長(左)と握手するモルドバ共和国のモニカ・バブク教育・文化・研究相(中央は「祈りの石」)。

 1945年(昭和20年)8月6日午前8時15分、広島の街に閃光が走り、14万人もの命が奪われた。人類史上初の原子爆弾による未曾有の大虐殺だった。決して風化させてはならないこの出来事を後世に伝える語り部として、実際に広島で原爆の熱線を浴びた物体は確実にその資格を有している。

 非政府組織(NGO)「ひろしま・祈りの石の会」(広島市)は6月2日(欧州時間)、東ヨーロッパに位置するモルドバ共和国の首都キシニョフ市内のモルドバ国立大学で「祈りの石」の贈呈式を行った。

 「祈りの石」とは、祈りの石の会が広島電鉄(広島市)から譲り受けた約200個の線路敷石に、延べ1万人の市民が、平和を祈る観音像と「From Hiroshima」という文字を彫り込んだもの。この石こそ、広島の爆心地からほど近い相生橋付近で、原爆投下時に使われていた路面電車の線路敷石である。

 これまで100カ国以上に寄贈されてきた「祈りの石」を受領したのは、モルドバ政府代表のモニカ・バブク教育・文化・研究相。キシニョフでは6月2日・3日両日に日本文化をテーマとする「第5回文化祭-The spirit of Japan」がモルドバ日本交流財団によって開催されており、「祈りの石」贈呈式はその一環として行われた。

 バブク教育相は「『祈りの石』は広島・長崎の犠牲者を追悼するとともに第2次世界大戦における人類の悲劇を思い起こさせます。モルドバは原爆の被害こそありませんでしたが、戦争、外国による占領、飢餓、国外追放といった恐怖を経験しました。この石はモルドバ国民と全世界に、すべての悲劇は克服できることを教えてくれます。さらに大事なことは、この贈呈式が5回目の開催になった『文化祭‐The spirit of Japan』の期間中に行われることです。国の違いに関係なく、文化は連帯を構築して人々を強くします。だから私たちは常にモルドバと日本両国の文化協力の発展を歓迎し、最近では教育、研究、若者の交流、スポーツの各分野にも協力関係を広げようとしています」とあいさつした。

「祈りの石」を除幕、披露する梅本道生ひろしま・祈りの石の会会長とモルドバ共和国のモニカ・バブク教育・文化・研究相。
「祈りの石」を除幕、披露する梅本道生ひろしま・祈りの石の会会長とモルドバ共和国のモニカ・バブク教育・文化・研究相。

 贈呈式に出席した日本の駐モルドバ特命全権大使の好井正信(よしい・まさのぶ)氏は「核兵器がもたらす破壊の恐ろしさを体験した唯一の国として、日

 本は核兵器のない世界を実現する大きな責任を担っています。今日、ここで日本文化をテーマとした素晴らしいイベントが行われ、そのイベントを楽しめるのはモルドバに平和があるからです。モルドバ国民、特に人類の将来を決める若い世代に広島の悲劇を繰り返さないという強い気持ちを持ってもらい、このイベントの中心的役割を果たしたモルドバの学生たちに『祈りの石』の意味を理解してほしいと思います」とスピーチ。

 1991年から世界各国に石を贈る運動を展開している祈りの石の会の梅本道生(うめもと・みちお)会長は「平和のために常に努力しているモルドバ共和国に『祈りの石』を贈呈し、貴国民と広島市民とが恒久的な平和への気持ちを共有したことを大変光栄に思います。電車の敷石として爆心地からわずか200メートルの地点で使われていたこの石が、平和の大切さを思い起こさせる『ひろしま・祈りの石』としてモルドバ共和国キシニョフの地で新しい生命を生きることになりました。世界の子どもたちが戦争の脅威や殺りく、憎しみから解き放たれて育つよう心から願っています」とメッセージを伝えている。

 贈呈式には300人以上が出席し、「祈りの石」はモルドバ国立大学内の敷地に設置された。そして、惨劇を目撃し、自らも被爆した歴史の証人として、平和の大切さを伝え続けていく任務をスタートさせた。


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