増加する耕作放棄地を活用した農業ビジネス

Harvested vegetables, gardening gloves and hand cultivator garden
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増加する耕作放棄地をめぐる動向

 農家の担い手不足などにより、これまで農地として利用されていた土地が、作付けされずに耕作放棄地や遊休農地になる問題が起きています。将来的にも日本では農家の担い手不足が予測されており、耕作放棄地が増加すると見込まれています。180416_F17092701_01

 耕作放棄地が増加した背景には、農地の売買に関する規制が要因の1つといわれています。農地の売買や貸借は、地域の農業委員会の許可を受けたものか、市町村の定めた「農用地利用集積計画」の対象であることが必要です。また、農地を農業用途以外に転用するには許可を受ける必要があり、農地以外への転用は容易ではありません。そのため、例えば農業従事者以外が農地を相続すると、そのまま耕作放棄されてしまうことがあります。

 こうした状況のなか、政府も耕作放棄地に対する対策に乗り出しています。農地中間管理事業の推進に関する法律が制定され、各都道府県に農地中間管理機構が設置されました。農地中間管理機構では、農地を機構が借り受けた上で、希望する借り手に期限付きで貸し出しを行っています。

 農地中間管理機構による農地の貸し出しは、耕作放棄地対策につながる他、これまで小規模農家が所有していた農地を集積し、農業法人や企業などに貸し出すことで、農業の生産性を向上させることが期待されています。

企業による耕作放棄地の活用

 耕作放棄地が増えることで、雑草や害虫の増加や鳥獣の居住区への侵入などが発生するため、農作物や周辺住民への悪影響が懸念されています。

 これまで農業の主な担い手であった農業従事者が減少し、今後も耕作放棄地の増加が予測されています。地域の耕作放棄地を解消する取り組みとして、企業の農業分野への新規参入に注目が集まっています。

 耕作放棄地を活用した企業の取り組みの事例としては次のようなものがあります。

1)農村と都市をつなぐ循環型プロジェクトを手掛けるベンチャー

 バイオマスソリューションなどを手掛けるベンチャーでは、耕作放棄地を活用して、米からエタノールと飼料を作る地域循環プロジェクトに取り組んでいます。

 このプロジェクトでは、耕作放棄地で原料となる米を作付けし、エタノールを抽出しています。抽出したエタノールは、化粧品、アロマ商品や消臭スプレーなどの原料として、自社商品および他社への販売も行っています。エタノールと同時にできるもろみかすをせっけん(サボン)などの原料や、地元の養鶏農家に提供して、鶏の飼料として活用されています。

 また、同社には、商品ブランディングの専門家も在籍しており、商品のネーミングやパッケージデザインなどもトータルでブランディングをしています。

2)農業の楽しさを伝える農業ベンチャー

 耕作放棄地を活用して全国で体験農園を運営している農業ベンチャーもあります。

 運営する体験農園施設では、アドバイザーがいることや、農具や肥料を用意しており、農業初心者にも気軽に利用することができ、現在では全国で100カ所以上の施設を運営しています。

 また、体験農園の運営以外にも、就農を希望する人向けの週末農業スクールの運営、農業の分野に特化した人材マッチングサイトの運営、週末農業スクールの卒業者などが生産した農産物を販売する店舗の運営など、農業に関するさまざまなビジネスを手掛けています。

3)循環型農業として耕作放棄地を畜産に活用

 産業廃棄物処理を行う企業では、耕作放棄地を活用して、飼料用作物であるデントコーンの栽培に取り組んでいます。

 耕作放棄地で家畜排せつ物を加工した堆肥の受け入れ事業に参加したことをきっかけに、農業事業に参入をしました。バイオ燃料や野菜・果物の栽培では採算が合わないため、飼料用作物の栽培に着目し、デントコーンの栽培を開始しました。

 食品残渣(ざんさ)や家畜の排せつ物などから肥料化を行い、生産した肥料をデントコーンの栽培に利用しています。栽培したデントコーンを酪農家に販売しており、耕作放棄地を活用して循環農業に取り組んでいます。

 

筆者:日本情報マート

経営者の意思決定に役立つ情報を発信。金融機関にも提供。
また年間200件を超える調査も実施。
http://www.jim.jp/

 


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