水面を滑る感覚に「ヨットは楽しい」 高校生対象に神奈川県がセーリング教室開催

ヨットに乗り込み八景島沖へ
ヨットに乗り込み八景島沖へ

 若い人にヨットの面白さを知ってもらおうと、2020年の東京オリンピックでセーリング競技の舞台となる神奈川県が7月16日に横浜市の八景島マリーナで、体験教室を開いた。参加した高校生は水面を滑るような感覚に「楽しかった」と、そう快なヨットの魅力を話した。

体験を終え、参加者は「面白かった」
体験を終え、参加者は「面白かった」

 体験教室には地元のセーリング連盟が全面協力した。シーラーク、530、シカーラの2~4人乗りのヨットを用意し、連盟の役員、メンバーらがインストラクターとして指導に当たった。参加したのは神奈川県内の高校生39人。座学でヨットが進む原理を理解し、簡単なロープの結び方やライフジャケットの着用法を学んで、いざ海へ。八景島の沖合は波が穏やかな割に適度の風が吹き、初心者や中級者には絶好の海域。各艇にはインストラクターが乗り込み、風上に向かうタックや風下に進むジャイブと呼ばれるセールの操作技術を駆使して、海面を滑るように進んだ。動力を使わず、自然の力だけを利用して移動する。そう快さだけではない、人間が生み出した知恵の深さを理解した瞬間でもあった。高校生には神奈川県セーリング連盟の貝道和昭会長から「セーリング競技広報大使証明書」が渡され、ヨットの面白さを家族や友人たちに伝えることが期待された。この催しは、オリンピック本番の舞台となる藤沢市の江ノ島などを会場に今後も行われる予定。

セールを張るとヨットが滑り出した
セールを張るとヨットが滑り出した

 セーリング競技は当初、東京都江東区若洲で行われる予定だったが、上空が羽田空港の進入路にあたりヘリコプターの撮影に支障が出るなどの理由で、1964年の東京オリンピックの会場だった江の島に変更された。大会成功に向け地元は全面協力の体制で臨むが、貝道会長は「セーリングは江ノ島で開催するのがベスト」と自信を持って話す。セーリング競技にとって重要なのは海面、風、良好な水質、それらすべてを満たしているのが江ノ島という。64年当時はヨットの代表候補選手だった貝道会長は「2度目の東京オリンピックも何らかの形で関われたら、こんなうれしいことはない」と待ち望む。

 現役を退いた後、日本ヨット協会理事長、日本セーリング連盟専務理事などを歴任してきた78歳の貝道会長は、競技面の責任者としても日本を支えてきた。四方を海に囲まれている海洋国家にもかかわらず、日本はヨット大国とは言い難い。「セーリング人口は減る方向にある。せっかくジュニア世代で多くの人がヨットに親しみながら、大学を出て社会人になると足が遠のく。社会全体で海を楽しめるようなるのが理想。そういう意味では20年のオリンピック以降が心配だ」。一時の盛り上げだけでなく、セーリングの未来も見据えている。

ヨットへの熱い思いを語る貝道会長
ヨットへの熱い思いを語る貝道会長

 20年の成功は目前の課題だ。成功の要素は2つあり、一つめは競技力の向上。オリンピックで実施する10種目のうち、貝道会長が世界で通用するとして挙げたのは「女子470級、レーザーラジアル級、フィン級、ナクラ17級」。それ以外は参加するだけになってしまうと危惧する。個人の力に負う活動では強化につながらず、スポンサーを含めた企業のバックアップが何より必要で「プロとして活動できる環境づくり」を訴える。さらに、自然相手だけに風や波の状態、潮目の変化など地元ならではのデータを集め、それらを分析してレースに生かせる専門家の採用が急務という。

オリンピック成功へ、タッグを組む貝道会長(左)と宮越局長
オリンピック成功へ、タッグを組む貝道会長(左)と宮越局長

 二つめは、大会をいかに盛り上げるか。会長によるとヨットレースの最大の面白さは、スタート前の位置取りと、風上への操作という。しかし、沖合のレースを陸上の観客席から見ることは無理で、ヘリコプターやボートから撮影した映像を、大型画面で見るしかない。「大型画面を海水浴場や街中の広場に設置する必要がある」。体験教室の視察に訪れた神奈川県の宮越雄司スポーツ局長も「夏の湘南を訪れる人は400万人から600万人。少しでもレースが視界に入る場所として江ノ島は世界でも類を見ない好ロケーションの会場だ。大型画面を駆使し、多くの人に見てもらうということに知恵を絞っていきたい」という。

 セーリング競技は、20年の本番までワールドカップやジュニアの世界選手権など数多くのプレイベントを開催し、競技の認知度を高めていく計画だ。貝道会長は「ぜひ神奈川県にお越しいただいて、海とヨット競技の素晴らしさを体験してほしい」とアピールした

体験を終え全員で記念撮影
体験を終え全員で記念撮影

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