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国会にピンクのワンピースで賛否

 韓国の左派政党「正義党」の柳好貞(リュ・ホジョン)議員が8月4日に、国会本会議に黄色のマスクに、ピンクのワンピースという姿で出席したところ、ネット上で柳議員に対する非難と擁護の賛否両論が沸き起こった。

 柳議員は1992年8月9日生まれでこの時は27歳。梨花女子大で社会学を学び、ゲーム企画会社などに勤務した後、労働運動組織「民主労総」で活動し、今年4月の総選挙で比例区で当選した、韓国国会で最年少の議員だ。

 ピンクのワンピースは同世代の女性たちにとっては日常的な服装だ。しかし、韓国国会では男性は背広にネクタイ、女性もジャケットにスカートというのが一般的だ。

 与党「共に民主党」支持者系のネットユーザーからは「ルームサロンの子マダム(クラブのチーママ)」「本会議場に飲み代を取りに来たのか」など、セクハラまがいの書き込みが相次いだ。極右傾向の強いサイトでも、嫌悪表明やセクハラ的な書き込みがあった。

 一方、柳議員を擁護する意見も相次いだ。「国会の過度の権威主義を壊してくれた」「国会に制服でもあるのか」などの支持意見が多く寄せられた。

 韓国の国会法には「国会議員の品位の維持」という条項があるだけで服装の規定はない。興味深いのは柳議員のワンピースについて、国会内ではまったく問題になっていないことだ。保守野党の「未来統合党」の朱豪英(チェ・ホヨン)院内代表は「柳議員の服装を問題にするのは間違いだ」と擁護した。

 左派の「共に民主党」の支持者が最左派の「正義党」の柳議員を批判する背景には、柳議員が朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長のセクハラ疑惑をめぐり、セクハラ被害を受けた女性の側に立つという姿勢を明確にしたことへの反発があるとみられた。

 韓国メディアによると、当の柳議員は「市民を代弁する国会だからこそ、仕事服としてどんな服でも着ることができるべきだ」と主張。「何でもないことをひっかき回すことは進歩系政治家がやらなければならないことだ。韓国政治の旧態依然、女性・若者に浴びせられるヘイト発言に対して考えるきっかけになったのでは」と問題提起をした。

 この騒ぎで、柳議員が着たピンクのワンピースはオンラインサイトでは売り切れとなった。また、これをきっかけに、多くの女性労働者が事業主や上司の好みに合わせた服装を要求されているという状況がメディアでも取り上げられた。

 韓国国会では2003年4月には国民改革政党の柳時敏議員が白の綿ズボンにグレーのTシャツ、黒のジャケットというカジュアルな服装で国会に出席し、当時の与党、ハンナラ党は「国民に対する礼儀ではない」と批判した。

 国会での服装はどの国でも問題になるが、日本でも1990年の衆院選で当選した旧社会党の長谷百合子議員がベレー帽をかぶって国会に出席し、論議になった。

 柳議員は8月8日には豪雨被害を受けた京畿道安城市で水害復旧のボランティアに参加したが「マスコミから電話を受けたが、今日もワンピースの話」と嘆いた。

ジャーナリスト 平井 久志

 

(KyodoWeekly8月31日号から転載)

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