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データが裏付けた中国の存在感

 日本は好きだが、地域への政治的、戦略的影響力は非常に小さいと考える。米国でさえ「太平洋のかなたの遠い一国」と感じ始めている。影響力が圧倒的に増しているのは中国―。

 シンガポールのシンクタンク「東南アジア調査研究所」(ISEAS)がこのほど発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国を対象にした調査で、そんな結果が明らかになった。

 ASEAN10カ国の政府当局者、学者、マスコミ関係者、一般市民の四つのカテゴリーの中から無作為に抽出し、1008人から回答を得た、本格的な調査だ(複数回答)。

  それによると、「世界の平和と安全と繁栄において最も信頼する国はどこか」との回答に「日本」を挙げた人が最も多く65・9%だった。2位は欧州連合(EU)で41・3%、3位は米国で27・3%、4位はインドで21・7%、5位が中国で19・6%だった。「訪れたい国」としても日本はEUに次いで2位だった。

 しかし、ASEAN地域において「最も政治的、戦略的に影響力を持つ国はどこか」との問いに日本を挙げた人はわずか2・1%だった。トップは中国で45・2%、2位は米国で30・5%、3位はASEAN各国で20・8%だった。経済的影響力に限ると、中国が73・3%と圧倒的なトップになっている。

 米国を抜いて中国がトップに立っていることは時代の必然と思えるが、ASEANの人々が感じている日本の政治的・戦略的影響力の小ささには、やや驚かされる。

 

「米国を信頼しない」

 

 米国についても、回答者の59・1%が米国の世界的な影響力が「低下している」と回答。トランプ政権下でASEANへの関与が「低下した」と答えた人も68%に上った。米国を地域の安全保障パートナーとして「信頼しない」「ほとんど信頼しない」という答えも3分の1に上っている。

 ただ、米国、日本の影響力がASEANで低下した中で中国が信頼されているわけでもない。

 中国の唱えるシルクロード経済圏構想「一帯一路」に「自国が加わるべきか」との問いに「加わるべきだ」と答えたのは26・8%で、「慎重に見極めるべきだ」が53・6%だった。

 ASEANは米国や日本から明らかに対中関係重視にシフトしている。ただ、中国に深く依存することに対してはまだ、根強い警戒感があるようだ。

ジャーナリスト 石山 永一郎

 

(KyodoWeekly1月21日号から転載) 


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