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「泣いてなんかいられない」

 昨年からタイで活動を開始したAKB48の姉妹アイドルグループ「BNK48」の人気が上昇している。かつてAKB48が歌った曲の歌詞をタイ語に置き換えた二つのヒット曲が通常の有名アーティストの3倍のCD売り上げを記録したほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」の国内再生回数が4カ月間で1億回を超えた。コンサート・チケットも、わずか15分で売り切れるなどBNK48の社会現象化の兆しも見え始めている。

 BNK48は、AKB48の姉妹グループの一つとしてインドネシアの「JKT48」、台湾の「TPE48」、フィリピンの「MNL48」とほぼ同時期に誕生。総合プロデュースはAKB48と同じ秋元康氏が務める。

 昨年2月、バンコクで開催された「ジャパン・エキスポ・タイランド2017」で第1期生29人がお披露目され、17年6月、バンコクの大型商業施設「EMクオーター」で初公演を行った。この直前、日本のAKB48から伊豆田莉奈さん=10期生=がBNK48に移籍し「イズリナ」のタイ名でメンバーに加わった。キャプテンにはタイ人のチャープラン・アーリークンさんが選ばれた。

 同8月、AKB48のメジャー・シングル・デビュー曲となった「会いたかった」の歌詞をタイ語にしたCDが発売されると、人気アーティストでも2千から5千枚の売り上げが平均のタイで、1万3500枚が売れた。これに続き、13年のヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」のタイ語版CDが発売。こちらは18年3月までのわずか4カ月間のユーチューブ再生回数が1億回を超えるほどのブレークとなった。

 さらに、18年4月にバンコク東部の大型商業施設「ザ・モール・バンカピ」にBNK48劇場が開設され、グッズの販売店もできるなどアイドルグループに対する人気は着実に上昇していった。

 「BNK現象」に目を付けたのがタイの若手映画監督ナワポン・タムロンラタナリット氏。今のタイ社会でアイドルを目指す20歳前後の女子たちの心象風景に興味を持ち、BNK48の1期生26人にインタビューし、ドキュメンタリー風に約2時間の映画を製作した。題名は「BNK48 Girls Don’t Cry(泣いてなんかいられない)」。

 1日のほとんどをイベントや練習に費やす日常のつらさの一方、ファンができて注目される喜び。そして「最終的にセンバツ(選抜)で残るのは1人なのだから、仲間はみんな競争相手」と語る複雑な胸の内を描いた。

 日本でアイドルグループを対象にこうした迫り方をした映画作品はほぼ皆無だろう。それだけに、アイドルの道を進む若い女性の意識に対して、人間的側面からスポットを当てているのが一番興味深い。

 筆者は8月中旬の封切りと同時にバンコクの繁華街にあるシネコンに見に行った。独りでこの映画を見る60代後半のオジサンに対して周囲はどう思うだろうか、と恐る恐るチケットを買ったが、観客は老若男女まちまちで、特に奇異な視線を浴びることもなく、鑑賞することができた。

(フリージャーナリスト 須田 浩康)

 

(KyodoWeekly10月15日号より転載)


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