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知っておきたい投資信託 人生100年時代のマネー設計③

 「老後に夫婦で2千万円の蓄えが必要」と試算した金融庁の報告書をきっかけに、公的年金制度の議論が活発化している。確実に予想できることは、公的年金だけでは高齢期の生活が苦しくなることだ。「自助・公助・共助」 で言えば、資産運用という「自助」の精神で準備しておくことも必要だろう。(編集部)

 

 Q 少額投資非課税制度「NISA」(ニーサ)、個人で入れる確定拠出年金「iDeCo」(イデコ)など、投資信託を購入するきっかけが増えていますが、どのような金融商品ですか。

 A 投資家から集めた資金をまとめて、専門家が株式や債券などに投資し運用する金融商品です。集めた資金をどのような対象にどれくらい投資をするかは投資信託ごとに定められた運用方針に基づき専門家が判断します。

 Q 投資信託を購入するにあたり、決められた単位などはあるのでしょうか。

 A 投資信託を購入する時は、1口あたりの値段にしたがって購入します。1口の価格を投資信託の基準価額と言います。証券会社や銀行などで配布されている投資信託のパンフレットを見ると、投資信託の申し込み単位と最低申し込み単位(例:「1千口以上1口単位」)が書かれています。

 Q 投資信託の基準価額はどのように変動するのでしょうか。

 A 一般的な投資信託の基準価額は、投資信託が組み入れられている株式などの時価評価をもとに算出されます。株式は、市場の変動によって価格が何度も増減しますが、投資信託の基準価額は1日に一つの価額として公表され、ホームページや新聞などで確認ができます。この基準価額に基づき、投資信託の購入や換金が行われることになります。

 Q 基準価額を見てから売買することができますか。

 A 基準価額が公表されるのは、投資信託の取引の申し込みを締め切った後になりますから、投資家は売買当日の基準価額が分からない状況で投資信託を売買することになります。このような方式を、「ブラインド方式」と言います。基準価額が確定し、公表された後に投資信託を売買できるようにすると、すでに投資信託を保有している投資家の利益が阻害される可能性があるため、このような方式が採用されています。

 Q 購入後、利益を得ることができるのでしょうか。

 A 投資信託で利益を得る方法は2パターンあります。一つは、購入した投資信託の基準価額が市場の変動により上昇した場合です。基準価額が上昇した後で売却すれば、保有口数に応じて利益を得ることができます。二つ目は、分配金が得られる場合です。投資信託が株式や債券などに投資し、運用益が出た場合、保有口数に応じて分配を得ることができます。

 Q 購入費用はかかるのでしょうか。

 A 最近では、購入手数料が無料の投資信託(ノーロード投資信託)もありますが、一般的に、投資家は販売会社(証券会社や銀行など)に「購入手数料」(購入金額の約1~3%)を支払います。加えて、証券会社などの口座を見ているだけではわかりませんが、運用期間中は信託財産から運用にかかる費用として信託報酬、監査報酬、売買委託手数料などが差し引かれています。投資信託の募集・販売の際には、目論見書が渡されますので、どのような費用がかかるのかを確認されることが大切です。

 Q 売却した際の利益や、分配金に税金はかかるのでしょうか。

 A 例えば、株式投資信託の場合、「解約」「買取請求」、あるいは運用期間満期(早期に繰り上げる場合)による「償還」によって発生した利益や分配金(普通分配金)には税金が課税されます。特定口座を「源泉徴収あり」で開設している場合は、確定申告が基本的に不要ですが、投資信託の譲渡による損失の繰り越しなどのために確定申告を行う場合があります。

 ただ、ニーサやイデコを活用することで、運用益が非課税になるなどの利点があり、これはあらためて解説します。

 Q 日本銀行が上場投資信託(ETF)を多く買い入れているニュースが報道されますが、ETFとはどのような投資信託なのでしょうか。

 A 上場投資信託(ETF)とは、証券取引所に上場しており、代表的な指標との連動を目指す投資信託です。例えば、東証株価指数(TOPIX)に連動するETFであれば、TOPIXとほぼ同じ値動きをします。

 Q 投資信託のメリットとデメリットは。

 A メリットとしては、株式投資に比べて少額で投資が可能なこと、専門家に任せることで専門知識や時間がなくても運用できること、少額で複数の投資対象(株式、債券など)に投資ができることなどが挙げられます。デメリットは、元本の保証がないこと、仕組みや運用手法がわかりづらいこと、などです。

 「投資信託に関するアンケート調査報告書(2019年3月)」によれば、投資信託の興味・関心・購入のきっかけの半数以上が「金融機関の人に勧められて」(52・5%)となっています。しかし、投資信託の基準価額は市場の価格によって変動するため、勧められたタイミングが購入に良いタイミングかどうかは分かりません。

 投資信託については、投資信託の仕組みの理解に加えて、投資対象や金額、購入するタイミングをしっかり考えた上で購入することが大切です。(続く)

[筆者]

日本総合研究所 創発戦略センター ESGリサーチセンター

小島 明子(こじま あきこ)

 

(KyodoWeekly7月22日号から転載)


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