生活情報のコラム

【洋楽を抱きしめて】マイケル・ジャクソン、エリック・クラプトンらにカバーされたYMO作品「ビハインド・ザ・マスク」

『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー/YELLOW MAGIC ORCHESTRA』 (ソニー・ミュージックダイレクト)
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー/YELLOW MAGIC ORCHESTRA』
(ソニー・ミュージックダイレクト)

 もともとはイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の作品である。のちにエリック・クラプトン、マイケル・ジャクソンらにカバーされたことから洋楽だといっているわけではない。オリジナル曲自体がもうグローバル・スタンダードなのだ。

 その曲とは「ビハインド・ザ・マスク」。YMOのアルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(1979)に収録されていた坂本龍一作曲、クリス・モスデル作詞の作品である。

 「ビハインド・ザ・マスク」を耳にしたマイケルはYMOサイドに連絡をとった。ちょうど彼はアルバム『スリラー』を制作中で、収録曲候補の一つとして考えていたという。

 アルバム『MICHAEL』の西寺郷太氏のライナーノーツによれば、坂本氏は次のように回想している、「『ビハインド・ザ・マスク』を使いたいっていう話が来たのは『スリラー』が発売される1年前くらい、1980年だったんじゃないかな」。

 坂本氏によれば、まずマイケル側が「出版権」を100%譲渡しろと言ってきた。それだけの主張をするぐらいのアレンジ/リクリエイトしているのだったら音を聴かせろと言ったのだけれど、マイケル側は、音は絶対に渡せないといってきたという。

 モスデル氏も「マイケルが新しいメロディーと、少し歌詞を加えて『ビハインド・ザ・マスク』をレコーディングしたと聞いて、そのうえで印税を半分に分けようと持ち掛けてきたものだから、『ありえない』と思ったよ」という。両者の交渉は決裂した。

 ’85年に、クインシー・ジョーンズの右腕として多くの作品でキーボードをプレイしてきたグレッグ・フィリンゲインズが2枚目のリーダー作アルバム『パルス』のオープニングを飾る一曲としてカバーしたのが「ビハインド・ザ・マスク」だった。
 クインシーはマイケルの『スリラー』のプロデューサーである。

 マイケルの「スリラー・セッション」で録音されたもののお蔵入りになってしまった同曲をグレッグが取り上げたのだ。そのためにグレッグのバージョンの作者クレジットに坂本龍一、クリス・モスデルとともにマイケル・ジャクソンの名前がある。

 さらにグレッグがサポートしていたエリック・クラプトンが’86年のアルバム『オーガスト』で「ビハインド・ザ・マスク」を採り上げた。歌詞もグレッグ・バージョンで加えられたものを使い、ロック色を強め、ダンサブルなサウンドに仕上げていた。シングルカットもされ、’87年1月に英国でヒットチャートの15位まで上昇した。

 オリジナル作曲者の坂本氏は’87年に同曲をセルフカバー。6曲入りCDのタイトル曲となり、クレジットは歌詞マイケル・ジャクソン、クリス・モスデル、作曲坂本龍一だった。

 「幻」のマイケル・バージョンの「ビハインド・ザ・マスク」が日の目を見るのは2009年6月のマイケルの死の後となった。オリジナル・アルバムとしては9年ぶりとなる『MICHEAL』(2010)に収録されたのである。

文・桑原亘之介

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