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【洋楽を抱きしめて】男女のすれ違う心を描いたグレン・フライの「恋人」

『ノー・ファン・アラウド/グレン・フライ』 (ワーナーミュージック・ジャパン)
『ノー・ファン・アラウド/グレン・フライ』
(ワーナーミュージック・ジャパン)

 1970年代の米ウェスト・コーストを代表するロックバンド、イーグルスの創設メンバーでありフロントマンの一人として、グレン・フライというミュージシャンは知られている。イーグルスが解散したのちも、病気で活動休止を余儀なくされるまで、かつてのバンド仲間だったドン・ヘンリーとともにコンスタントにヒットチャートを賑わせていた。

 グレンの最初のソロメジャーヒットは’82年のアルバム『ノー・ファン・アラウド』からの「恋人(The one you love)」だった。米ビルボード誌のヒットチャートでは最高15位を記録、アダルト・コンテンポラリー・チャートでは2位まで上昇した。

 グレンと彼の無名時代からの仲間であるジャック・テンプチンの共作である「恋人」は、友人以上恋人未満のような関係である男女のうち、女性のほうは一緒にいても心では他の人のことを思っている、そのことを知りつつ、彼女を本当に愛している自分を選んでもらいたいと願っている男性の揺れ動く気持ちを歌っている作品である。

 この男女は本当に恋人なのか。とすると「恋人」という邦題は必ずしも適当ではないように思える。原題を訳すると「あなたが愛する誰か」という意味になり、「あなたが愛する私」とか「私が愛するあなた」ではないことが、この英文タイトルのミソであると思う。

 甘いポップ・ソウル調の作品だが、イントロ、間奏とアウトロのテナー・サックスが曲にいい味わいをもたらしている。アーニー・ワッツとジム・ホーンによる演奏である。

 グレンはミシガン州デトロイトで1948年に生まれた。そして60年代半ばからバンド活動をしてきた。この時期にはボブ・シーガーも同地で活動しており、交友が始まる。また、ガールフレンドの恋人であるJ・D・サウザーとも意気投合したのである(CD『グレン・フライ ソロ・コレクション』の宇田和弘氏のライナーノーツ)。

 さらに、ニューヨークからデトロイトに戻ってきたジャクソン・ブラウンが仲間に加わった。ドン・ヘンリーと知り合ったのは’70年のことだ。翌’71年、米女性歌手リンダ・ロンシュタットのバックバンドのメンバーだったフライ、ドン、バーニー・リードン、ランディ・マイズナーという四人組でイーグルスを結成する。

 フライ、ドンという二人のメイン・ボーカリストを擁したイーグルスは、ジョー・ウォルシュといった新メンバーを迎えながら、70年代半ばには西海岸ロック、いやロック・シーン全体の頂点にまで駆け上っていった。フライはドンとともに代表曲の多くを作詞作曲した。メインボーカルを務めた作品には「ピースフル・イージー・フィーリング」、「テキーラ・サンライズ」、「偽りの瞳」、「ニュー・キッド・イン・タウン」などがある。

 「恋人」のほかにも、フライには「ヒート・イズ・オン」、「ユー・ビロング・トゥー・ザ・シティ」といったソロ・ヒット曲がある。ともにヒットチャートの2位まで上昇した。

 だが、2000年ごろからフライはリウマチ性関節炎を患う。闘病の末、2016年1月18日、その病と肺炎などによる合併症で他界した。享年67才だった。

文・桑原亘之介

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