生活情報のコラム

【洋楽を抱きしめて】飛行機事故で亡くなったジム・クロウチの「タイム・イン・ア・ボトル」

『 You Don’t Mess Around With Jim /JIM CROCE』(輸入盤)
『 You Don’t Mess Around With Jim /JIM CROCE』(輸入盤)

 ジム・クロウチは米ペンシルバニア出身のシンガー・ソングライターだが、本格的にスター街道を歩み始めようとした矢先に、飛行機事故で早世してしまった悲劇の人である。そのジムの置き土産ともいえるのが、美しい「タイム・イン・ア・ボトル」だ。

 ジムは苦労人だった。一度はキャピトル・レコードと契約したが、うまくいかず、故郷に戻ってトラック運転手や電話技師として働いた。だが曲作りは止めずに、デモテープをレコード会社に送り続けたことが実を結び、’72年には実質的なファーストアルバム『ジムに手を出すな(You Don’t Mess Around With Jim)』をリリースすることになった。

 このアルバムからは、同年9月に表題曲が米ビルボード誌で最高位8位、同年12月に「オペレイター」が17位まで上昇。順調な再スタートを切ると同時に、まだ二十代だった若きジムのシンガー・ソングライターとしての才能に注目が集まった。

 そして翌’73年7月には、ジムが軍隊生活で電話架線工事の技術を学んでいた時に知り合った男がヒントとなった作品「リロイ・ブラウンは悪い奴(Bad, bad Leroy Brown)」がチャートを上昇して全米ヒットチャートの首位を獲得した。

 運命の日は近づいていた。しかしジムは知る由もない。’73年9月12日にABCの「ムービー・オブ・ザ・ウィーク」で、がんで死んだ若い女性の物語「She lives」が放送される予定になっており、プロデューサーと監督は主題歌を探し回っていた。

 買い込んできた多くのレコードを聞いていくうちに、2人ともジムのアルバム『ジムに手を出すな』に収録されていた「タイム・イン・ア・ボトル」が一番ふさわしい楽曲だということで意見が一致したのだ。番組が放送されるや、テレビ局に主題歌について「誰が歌っているのか」、「どこで手に入るのか」などと尋ねる電話が殺到したのである。

 それからわずか8日後の9月20日、悲劇が襲う。ジムら5人のメンバーは、コンサート会場からコンサート会場への移動に使っていた飛行機がルイジアナで事故を起こし、全員亡くなってしまったのだ。ジムは30才だった。ちょうど、ドラマ「ラスト・アメリカン・ヒーロー」で使われたジムの楽曲「アイ・ガッタ・ア・ネーム」がヒットしていた。

 テレビ映画の主題歌に使われたことで一躍脚光を浴びた「タイム・イン・ア・ボトル」はシングルカットされて、チャートを順調に上昇した。’73年暮れには、全米首位の座を獲得する。ジムにとってはキャリア2曲目のナンバーワンヒットだった。

 ギターのアルペジオで始まる「タイム・イン・ア・ボトル」はメロディーが美しいばかりでなく、歌詞も繊細な美しさに満ちている。

 「もしビンに時間を取っておけるのならば、ぼくが最初にしたいのは、永遠というのが消え去るまでずっと、あなたと過ごすために、毎日を取っておくことだよ」
 まさにジムの「置き土産」だった。

文・桑原亘之介

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