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【コラム 映画再見③】 世界のつながりとコミュニケーションの断絶を描く『バベル』

(C) 2006 by Babel Productions,Inc. All Rights Reserved.
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 世界は想像を超えた遠くまでつながっていること、そしてコミュニケーションの断絶は人に悲しみをもたらすこと。新型コロナウイルスで図らずも多くの人が実感していることだ。14年前のこの作品では、まったく異なる状況を扱いつつ、同じことを語っている。舞台はモロッコ、アメリカ、メキシコ、そして日本。4カ国の人々の出来事はすべてにつながりがある。

 モロッコで、一丁のライフルが売買される。買い受けた父親は、息子2人にジャッカルの退治用にこれを手渡すが、やんちゃな弟は試し撃ちに遠方を走る観光バスを狙う。弾が命中してしまったのは、窓際で眠っていたアメリカ人女性。夫が夫婦関係修復のために旅に連れ出していたさなかの出来事だった。

 日本では、母親が亡くなりぎくしゃくした親子関係に悩む父娘が一組。娘は聴覚障害のある高校生で、友人たちと思春期を存分に楽しみつつも、父親への反発に加え、同世代とのコミュニケーションが思い通りにならないことへのうっ憤を抱えている。

 メキシコでは、乳母として働くアメリカ人家庭の子ども2人を連れて国境を越え、息子の結婚式に出席している女性がいた。子どもたちの母親はモロッコで被弾、両親の旅の予定が変わってしまい、やむを得ず子どもたちを連れ出したのだが、アメリカに戻る際、飲酒運転だった甥が検問を強引に突破、子どもたちと3人で砂漠に置き去りにされてしまう。

 作品題の「バベル」は、天に届くほどの塔を建てようとした人々が神の怒りを買い、違う言葉を話すようになり各地に散っていったという旧約聖書・創世記に記された町と塔の名前だ。この作品の中では、同じ言葉を話す人との心的な断絶に加え、異なる言葉を話す異なる文化への無理解、異なる状況に置かれた人への想像力の欠如がしっかりと描かれている。今見ると、公開当時とはまた違った“実感”が持てる一本だ。

 ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、菊地凛子など出演者も豪華。カンヌ国際映画祭監督賞など、数々の賞を受賞している。

Text by coco.g

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