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【コラム 映画再見1】9年前に作られたこの作品に思うこと 今の混乱を予見していた『コンテイジョン』

(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
(C)2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 出かけられず持て余す余暇。だがネットのおかげで在宅で楽しめるものも少なくない。映画はその一つ。新作を観に映画館に足を運べるようになるまでの間、名作の再見や見逃した作品を楽しむのも悪くない。とりあえず話題の『コンテイジョン』(米・2011年)から。

 SFの世界がしばらくして現実になる、というのはよくある話。だが、まるで現在のドキュメンタリーを見ているような衝撃を受ける作品は、そう多くない。未知のウイルスがあっという間に各国に広まり、爆発的に感染者と死者が増えていく。崩壊する医療現場、スーパーの商品買い占め、道路の封鎖、陰謀論者がネットで拡散する不確かな話。そして神経質なほどの消毒を繰り返す生活。

 人は毎時間、無意識に何十回も顔を触っている、と注意を促す医師。ドアノブ、エレベーターのボタン、電車やバスの手すり、手渡しの書類や握手が映し出される度に、何も言わなくても「感染」の経路がはっきりと見えるのは、その状況が現在進行形だから。セリフの一つ一つ、映し出されるすべてのものが、ここ数カ月、新型コロナウイルスの報道で聞いたこと、見たものばかりだ。環境破壊と、そこから連鎖するものの恐怖も、「物語」では済まない、背筋が寒くなる展開だ。

 実際、この作品は米・疾病対策センター(CDC)への詳細な取材に基づき製作されている。9年前の作品。この間、われわれはもっと準備できることがあったのでは、と思わされる。

Text by coco.g

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