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【コラム】人生にも美味にも正直に 映画『トスカーナの幸せレシピ』

(C)2018 VERDEORO NOTORIOUS PICTURES TC FILMES GULLANE ENTRETENIMENTO
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 「世界に一番必要なのは、おいしいポモドーロだ」。冒頭からイタリア全開。直情径行型のシェフとアスペルガー症候群の青年が、鋭い味覚と正直な言葉でつながっていく。映画『トスカーナの幸せレシピ』が公開された。

 元三ツ星シェフのアルトゥーロは、すぐにカッとなるタイプ。厨房でも感情は抑えられず、オーナーを殴って収監され、社会奉仕でアスペルガー症候群の若者たちが集う施設に出向く。スパイスからハーブまで、料理に入っているものを全部言い当てることができるほどの“絶対味覚”を持つ青年グイドは、トスカーナの料理人コンクールへの出場を果たし、優勝を目指してアルトゥーロとの旅路へ。

 特異なこだわりを持ち、他人の言葉を真正面から受け取るグイドと、感情が先走り、建前の付き合いがうまくできないアルトゥーロ。同じような“生きにくさ”を抱えた二人は、やはり同じように秀でた舌と、物事の表面だけをなでるような言葉を知らないという、共通点を持っている。そのことに気付いていく過程に、トスカーナのおいしい料理が添えられる。アルトゥーロが刑務所から自宅に戻り一人で作るポモドーロや、グイドがコンクールで作るティンバッロ。味覚は主観的なものだが、おいしいものを前にした時の人の表情や行動は同じ。言葉がなくても、それが明確になるラストは爽快だ。

 グイドという青年の名前には、イタリア語で運転する、引っ張っていくという意味がある。二人の旅路、運転席で聞こえる彼の名前に、前向きな空気が漂う。原題は「クアント・バスタ」。料理のレシピでは「適量」の意。ほどほど、これで十分、というニュアンスが、どんな障害も“消化”していく二人の姿によく似合う。

Text by coco.g

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