生活情報のコラム

「弁当の日」で料理の習慣を 提唱者が若者の偏食に警鐘!

講演する「弁当の日」提唱者の竹下和男氏。
講演する「弁当の日」提唱者の竹下和男氏。

 世界的ベストセラー「サピエンス全史」によると、はるか大昔の狩猟採集民は現代人に比べて労働時間は短く、案外「快適で実りの多い」生活を送っていたらしい。

 平素から何十種類もの食べ物を口にする狩猟採集民の食事は栄養バランスに優れ、化石化した骨格からは背の高い健康体を想像できるという。危険に満ちた幼少期を過ぎれば、意外と長生きで、60を超え80代まで生きる者さえいた。

 一方、狩猟採集社会から農耕社会に移り変わった後の農耕民の食事は、小麦やジャガイモ、イネなど単一作物中心となりむしろ栄養バランスは崩れていったという。

 現代もその流れは変わっていないようだ。東京都内で6月14日開かれた「第2回弁当の日情報交換会」(弁当の日応援プロジェクト主催)で講演した弁当の日提唱者・竹下和男氏は、現代の若者の偏った“食”の在り方に警鐘を鳴らした。

 竹下氏は、大学生200人の食事の調査データを示しながら、菓子パン、チョコレート、大学芋など「単品」で食事を済ます若者が増えていることに懸念を示した。その背景には「子どものころから日常的に朝ごはん代わりに菓子パンを食べ、甘いものが“食事”だと繰り返し親から教えられてきた」と幼少期以降の食習慣の問題があると指摘する。

 偏った食生活は本人だけでなく「小児糖尿病」など次世代の変調を引き起こす可能性を高めるとも主張した。

 竹下氏が2001年、香川県滝宮小学校長時代に同小で始めた「弁当の日」は、子どもが一人で弁当を作る試みだ。楽しみながらお弁当を作ることによって「料理の楽しさ」を自然に身に付けてもらい、そして将来「子どもに料理をつくる楽しさ、子育ての楽しさ」を感じられる親になってほしいと願い、始めた。

 弁当の日の意義を説明する講演会はすでに2300回を超え、聴講者はおよそ35万人に達した。そのかいあって弁当の日を実施している学校は2300校を超える。

 竹下氏は「多くの児童・生徒は食事を作ることは自分の仕事ではない、作るのは親の仕事だと思っている。作らない親は子どもにお金を与える。このようにして育った者は子どもに食事を作らない親になる可能性が大きくなる」と話す。

 この“悪循環”を断つのが弁当の日の役割。竹下氏は「人間はまずいと気づいた環境を変える能力を持つ」と講演で強調した。現代人はいま「ホモ・サピエンス」(賢いヒト)であることを問われているのかもしれない。

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