生活情報のコラム

ローマ時代から2000年を歩く 【カタルーニャを訪ねて】その4

美術館はモンジュイックの丘に行く道。朝はこの高い階段を上りエクササイズに励む市民も
美術館はモンジュイックの丘に行く道。朝はこの高い階段を上りエクササイズに励む市民も

美術館はモンジュイックの丘に行く道。朝はこの高い階段を上りエクササイズに励む市民も

 バルセロナがあるスペインのカタルーニャ州は2017年、カタルーニャ共和国として独立宣言をするほど、歴史的に独自の文化を持っている。紀元前のローマ時代から、イスラム教徒やフランク王国の支配を経て、バルセロナ伯のカタルーニャ君主国へ。長い歴史をひも解けばまた違った街の顔が見える。歴史博物館から現代のサルダーナまで、カタルーニャ文化を五感で感じられる場所を歩いた。

コロンブスが上った階段のある王の広場
コロンブスが上った階段のある王の広場

 コロンブスの“新大陸”への到達は、15~17世紀の大航海時代の幕開け。植民地経営や搾取といった負の側面も含め、世界史がダイナミックに動いた時代の中心人物だ。彼の大航海を可能にしたのが、当時のアラゴン王妃、イザベル1世。バルセロナのゴシック地区と呼ばれる旧市街の中心地に、コロンブスが王妃に謁見した場所がある。三方をゴシック様式の建物で囲まれた「王の広場」に、観光客が座って休んでいる扇形の階段があるが、コロンブスはこの階段を上ってイザベル1世に大陸発見の報告をしに行ったという。

歴史博物館地下の広大なローマ遺跡の一角
歴史博物館地下の広大なローマ遺跡の一角

 一気に中世まで時間をさかのぼるこの広場の地下は、4,000平方メートルという巨大なローマ遺跡。ここがバルセロナ歴史博物館だ。バルセロナという町の名前の起源でもある「バルキーノ」というローマ時代の町を、解説を読みながらそのまま歩くことができる。王宮の地下に埋まっていた遺跡が発見され、ローマ時代の道と中世の建物、現代のゴシック地区の街並みが、同じ場所で“階層”になっているのが目撃できる珍しい場所だ。

カタルーニャ自治政府庁
カタルーニャ自治政府庁

 博物館のすぐそば、サン・ジャウマ広場にはカタルーニャの自治政府庁がある。スペイン国旗、バルセロナ市旗、カタルーニャ旗3本を掲げる市庁舎の真向かいで、旗は2本。バルセロナ市内を何気なく歩いていても、このカタルーニャ旗を掲げた家々をよく見かける。

美術館には、スペイン内戦当時のカタルーニャ・ナショナリズムのポスターなどもある
美術館には、スペイン内戦当時のカタルーニャ・ナショナリズムのポスターなどもある
美術館にはガウディの家具も
美術館にはガウディの家具も

 2,000年の歴史を街並みで体感したら、モンジュイックの丘に登る途中のカタルーニャ美術館へ。ロマネスク、ゴシック、ルネッサンスとバロック、そしてガウディの家具なども並ぶ近代美術まで、年代を追って堪能できる。バルセロナに来てモデルニスモに関心を持ったなら、近代の54番ルームにある画家、ラモン・カザスの「二人乗り自転車に乗るカザスとロメウ」の絵を見ていこう。絵の主人公、カザスとロメウが仲間と4人でバルセロナ市内に開いた「クアトラ・ガッツ(四匹の猫)」というカフェは、当時の文化芸術運動の発信地となり、ピカソが個展を開いたことでも知られている。1903年にいったん閉店したものの、現在はまた当時の姿でレストランとして復活しているから、朝から美術館巡りに出たなら、遅いランチをこのクアトラ・ガッツで。店内の壁には、美術館で見たカザスの絵のレプリカが飾られている。

クアトラ・ガッツの店内
クアトラ・ガッツの店内
クアトラ・ガッツに飾られている絵の本物は今は美術館に
クアトラ・ガッツに飾られている絵の本物は今は美術館に

日曜の昼時は大聖堂前へ。サルダーナというカタルーニャの民族舞踊を見ることができる。カテドラル前の階段に楽団が座り音楽が始まると、人々が荷物を輪の中心において手をつなぎ、穏やかなダンスが始まる。フランコ独裁政権時代には、カタルーニャ語同様禁止されていたという民族の踊り。回ってきたかごに寄付をすれば、シールがもらえるから、それをつけて輪に入って一緒にステップを楽しむこともできる。

Text by coco.g


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