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観客を閉じ込めるワンカット ノルウェーのテロを描く映画『ウトヤ島、7月22日』

 (C) 2018 Paradox
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 ニュージーランドのイスラム教礼拝所で15日、銃撃テロ事件を起こした白人至上主義者の被告は、2011年、ノルウェーで多くの若者を含む77人を殺害した連続テロ犯の影響を受けたと伝えられている。そのノルウェーのテロ現場を描いた映画、『ウトヤ島、7月22日』が公開されている。72分間に及ぶ凶行を、72分間のワンカットで映像化した衝撃作だ。

 平和で温厚なイメージのニュージーランドで起きたテロの衝撃は、被告の供述が報じられる前から即座にノルウェーのテロを思い起こさせた。多文化共生を重視し、若者が政治を語り合うサマーキャンプが長年行われてきた参加型民主主義の国、ノルウェー。ましてや南部の湖に浮かぶ小さなウトヤ島が、テロの標的になるとは誰が想像しただろう。実際、オスロの政府庁舎で爆破事件が起き、心配した母親がキャンプ中の主人公、カヤと電話する場面でこの作品は始まり、カヤは「ここはウトヤ島。世界一安全な場所よ」と答えている。

 だが、労働党の青年組織が所有するその島に偽装警官として乗り込んだテロ犯は、結果的に72分間にわたって銃を乱射し続け、キャンプに参加していた多くの若者の命を奪った。その同じ長さの時間をかけて、観客はカヤの視点でひたすら森を逃げ、妹を探し、参加者の死を目撃し、逃げ惑う友人と寄り添う。そこに在るのは、カヤが見ている風景と感じているとてつもない恐怖、遠くから、そしてある時は近くから聞こえる銃撃の音、逃げたくても逃げられない、海に囲まれた島ならではの波の音しかない。どんなサスペンスやアクション映画でも緩急があるが、この作品は72分間、見る者をこの島に閉じ込める。

text by coco.g


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