生活情報のコラム

アイスランドの風景が作る寓話 映画『たちあがる女』

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 雄大な自然の風景の中に立つ送電線は、異様だ。その“異様さ”が代弁する環境破壊との闘いに奔走する一人の女性を追った映画『たちあがる女』が公開された。物語の内容を正面から受け止めれば賛否両論必至だが、映像美と音楽、アイスランドと女性という一つひとつの要素に惹きつけられる”現代の寓話“だ。

 合唱団の講師ハットラは、環境活動家だ。溶岩台地でさまざまな道具を駆使し、太い送電線を切っては逃げ、切っては逃げていく姿は“テロリスト”並みだが、“犯人”を追うヘリもドローンも、大地の窪みや羊、牧場主に助けられる彼女に手が届かない。経済を支えるアルミニウムの精錬所や、廉価な発電が破壊する自然を守るために一人立ち上がる女性の向こう側に、本来は姿を現さないはずのサウンドトラックの演奏者が登場しているのが大きな特徴だ。ただ音楽を奏でているように見えて、実のところ物語の節目と要素を語り、時にはキャストとして演奏者の枠をはみ出す。ウクライナから迎える養女、ニーカの存在と、やはり画面に姿を現すウクライナの合唱団は、ハットラの生き方と決断に大きな影響を及ぼしている。

 そんな寓話的な映像と音楽と物語の背景には、政財界での女性の活躍が最も進み、さまざまな権利保護に革新的な立場を貫くアイスランドという国の現実と、これを守っていこうとする強い意思が見える。映画『マイケル・ムーアの世界戦略のススメ』で、ムーア監督がインタビューした女性たちが「アイスランドは女性が生きるには最高の国」と答えていたその笑顔が、闘う女性ハットラの原動力になっているように見える。


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