生活情報のコラム

アニメ聖地を紹介する「1番札所」が飯田橋にオープン! アニメツーリズム協会に聞く、その役割とは…

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■聖地巡礼とは

 「聖地」と聞いて何を思い浮かべるだろう?本来的には、宗教にとって重要な土地を意味するが、昨今では政治、スポーツ、芸能など、いろいろな分野で“聖地”と呼ばれる場所があり、思い浮かぶ聖地も人それぞれだろう。特にアニメ分野で聖地といえば、アニメの舞台となった場所のことを指し、そこに訪れることを“聖地巡礼”という。今、日本人のみならず訪日外国人観光客からも、このアニメ聖地の巡礼が人気を集めている。

■アニメツーリズム協会と「アニメ聖地88」について

 アニメの舞台は、作中で明かされていることもあれば、作中風景からファンが特定する場合もある。大半は、意識して調べないと分らない場所ばかりだ。そこで、一般社団法人アニメツーリズム協会(東京)が2016年に発足。日本国内のさまざまなアニメの舞台や、ポップカルチャーに関する施設を「アニメ聖地88」として、権利者の許諾を得て認定し、その普及・発展に努めている。ちなみに88とは作品数のことで、ある作品の聖地が複数あったり、ある場所が複数の聖地を兼ねていたりするので、必ずしも88カ所になるわけではなく、今年は合わせて135の地点がアニメ聖地として選定された。この聖地は毎年一般投票によって決められており、昨年の投票では海外からの投票が75%と、海外の関心が非常に高いことがうかがえる。

■「1番札所」開設セレモニーには富野由悠季氏の姿も!

 協会は、こうした聖地巡礼の拠点となるインフォメーションセンターの「札所」を、これまでに成田空港(0番札所)や東京都庁(88番札所)に設置してきた。今回、東京・飯田橋のKADOKAWA富士見ビルに3番目の札所となる「1番札所」を設置。開設前日の2月21日に、同所でセレモニーを行った。

協会会長としてあいさつする富野由悠季氏
協会会長としてあいさつする富野由悠季氏

 セレモニーでは、まず、同協会会長でガンダムの生みの親としても知られる富野由悠季(とみの・よしゆき)氏が登壇。「訪日外国人観光客は増えているが、訪れる場所が偏っているという話もある。今後は一般的な観光地に限らず、アニメを通して日本全国に観光客が訪れるようにしていきたい」と抱負を語る。

協会理事長の角川歴彦氏
協会理事長の角川歴彦氏

 次に、角川歴彦(かどかわ・つぐひこ)会長が登壇し、「日本のこれからの成長産業として、インバウンドは大きな柱になる。つい先日も『君の名は。』がハリウッドで実写映画化が決まるなど、世界の日本のアニメへの関心は高まっている。その機運に乗じて、アニメ聖地も盛り上げていきたい」と力強く語った。

 最後に行われたのは、1番札所認定プレートの除幕式。途中、幕が外れそうになるアクシデントもあったがなんとか踏みとどまり、関係者の手によって除幕。セレモニーは笑顔に包まれながら終了した。

(左から)ほほ笑み合う富野氏、角川氏、鈴木則道(すずき・のりみち)専務理事
(左から)ほほ笑み合う富野氏、角川氏、鈴木則道(すずき・のりみち)専務理事

■「1番札所」常設展を見てみよう

聖地一覧
聖地一覧では、QRコードから詳しい情報を得られる

 続いて、1番札所の内覧会も行われた。1番札所には、インフォメーションセンターとしての常設展示と、時節に応じて変わっていく企画展示がある。常設展には、アニメの聖地一覧がずらり。アニメ観光を促進している自治体もあり、その土地をPRする映像・パンフレットも用意。交流のためのコミュニティ要素として、メッセージが書ける絵馬も用意している。ここでアニメ聖地の魅力を知り、実際に現地を訪れてほしいとのことだ。

池袋・乙女ロードの冊子や、埼玉のうどん特集など不思議なラインアップ
池袋・乙女ロードの冊子や、埼玉のうどん特集など不思議なラインアップ
各々のイラストが描かれた絵馬も目に楽しい
各々のイラストが描かれた絵馬も目に楽しい

■企画展の記念すべき初回は…「電撃文庫」!

あなたの“推し”や“嫁”はいるかな?
あなたの“推し”や“嫁”はいるかな?

 常設展を堪能したら、企画展を見てみよう。記念すべき初回を飾るのは、「電撃文庫25周年記念×アニメツーリズム協会 春のスペシャル展示会」だ。電撃文庫は1993年の6月に創刊。KADOKAWA(メディアワークス)のライトノベルレーベルとして不動の人気を誇る。2018年は25周年記念として、さまざまなキャンペーンを展開してきたが、同展示はその最後を締めくくるイベントだ。人気25タイトルのヒロインのドレス姿のパネルが展示され、今回のイベントが初お披露目となる、ソードアート・オンラインに登場する実寸大の「青薔薇の剣」「夜空の剣」が登場。イベント限定グッズも取りそろえる。

現在放送中のアニメも話題のSAO。隣にシノンの愛銃・ヘカートⅡも展示されている。
現在放送中のアニメも話題のSAO。隣にシノンの愛銃・ヘカートⅡも展示されている。

■アニメツーリズム協会の内情と、その役割とは…

 最後に、事務局スタッフの方に、同札所とアニメツーリズム協会について、さまざまなお話を聞いた。

-まず、「1番札所」は、なぜ飯田橋に設置したのでしょうか。

 「札所」は、旅の目的地ではなく、あくまで旅前に立ち寄る情報スポットです。アニメツーリズム協会は一般社団法人ですので、あまり財源の余裕がなく、協会に賛同してくださる企業の皆さまの協力で成り立っています。そこで今回は、KADOKAWAさんが(飯田橋のこの)場所を提供してくださったのです。それと、同社はコンテンツ会社なので、企画展を展示していくことで、KADOKAWAのファンに来ていただき、アニメ聖地88との相乗効果を狙っていきたいという思いもあります。富野会長もおっしゃっていましたが、「できる範囲で、やれることをやっていこう」というスタンスです。

-なるほど。先ほど角川理事長も、「KADOKAWAだけでは限界があるので、敢えて社団法人とした」とおっしゃっていましたが、やはりKADOKAWAさんの存在感は強いということでしょうか。

 そうですね。やはり先陣を切ってアニメツーリズムを作っていこうという意思をお持ちなので。ただ、一社の取り組みには限界があるので、同社のノウハウと、協会のほかの企業(成田空港、東京海上日動など)の旅行、地域振興、インバウンドに関する知見を全部集めて、大きなものを作っていこう、というのがこの協会です。

-確かに、協賛企業が多岐にわたっていて、驚きました。バス会社さんもいらっしゃいますね。

 WILLERさんですね。先進的な取り組みをされるバス会社さんです。ただ単に人を運ぶのではなく、道中をエンターテインメントとして楽しんでいただくという同社のノウハウを、アニメツーリズムにも生かしていきたいと思います。

-ファン心理として、「ここが聖地です!」と言われると逆に引いてしまう人もいるかもしれないのですが、その辺りはどうお考えでしょうか?

 第一に、ファンの喜ぶ観光、ファンの喜ぶ町おこしを目指していかなければいけないと思います。そのためにも、さまざまな情報を蓄積し、新しいアニメやアニメの舞台がどんどん出てくる中で、その知見を生かしていくのが協会の役割だと考えます。失敗事例はなかなか当事者が語りにくいものですが、それを繰り返さないために、ある種中立的な組織として、そこから学べることをノウハウとして蓄積しますし、そういった(自治体などからの)ご相談にも乗っています。

-なるほど。協会さんの知られざる一面をのぞいたような気がします。お忙しい中、ありがとうございました。

■終わりに

 今回の取材では、国内外のアニメファンに一層コンテンツを楽しんでほしい、そしてアニメ聖地に関わるさまざまな当事者が幸せになるような道筋を作りたい、というアニメツーリズム協会の皆さんの思いが伝わってきた。一アニメファンとしては、その更なる発展に期待していきたい。

(取材・文・写真/江風葵)

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