生活情報のコラム

ラグビーW杯ビッグイヤーの“祝砲”だ! 日大ラグビー部が「ヘラクレス宣言」

日大ラグビー部創部90周年記念祝賀会で記念撮影に応じる日大ラグビー部のメンバー。東京都港区の東京プリンスホテルにて。
日大ラグビー部創部90周年記念祝賀会で記念撮影に応じる日大ラグビー部のメンバー。東京都港区の東京プリンスホテルにて。

 日本初開催のラグビーW杯が9月に開幕する。日本は前回、強豪南アフリカを破り世界を驚かせたが、その南アは世界を“震わせた”ことがある。

 自国初開催で初優勝した24年前の1995年W杯。南ア代表チーム(愛称スプリングボクス)の快進撃は、アパルトヘイト(人種隔離政策)廃止後の国内融和を進める新生南アの“象徴”として世界にとどろいた。

 初優勝を告げるノーサイドの笛は、同時に人種対立の「雪解け」を促す音色も奏でた。競技場の内外で黒人と白人が手に手を取り合って喜ぶ姿が見られた。

 初優勝の熱狂冷めやらぬグラウンドに、自国代表チームのユニフォームに身を包んだ当時の南ア大統領ネルソン・マンデラ氏が登場すると熱狂は増した。マンデラ氏は優勝杯をフランソワ・ピナール主将に手渡し祝福の言葉を掛ける。

 アパルトヘイトの廃止を求めて30年近くの獄中生活に耐えた黒人のヒーロー・マンデラ氏と、スプリングボクスを愛する南ア白人のヒーロー・ピナール主将が、スタンドの観衆はもちろん、テレビの前で10億人以上の世界の人々が見つめる中、仲良く優勝の喜びを分かち合った。

 その光景に至る道のりが決して平坦でなかったことは、クリント・イーストウッド監督の映画『インビクタス/負けざる者たち』の中に余すところなく描かれている。当時の南アではラグビーは白人が好むスポーツ。黒人にとっては関心の対象外、あるいは憎しみの対象ですらあっただろう。

 映画の中では、教会のチャリティーで、スプリングボクスのユニフォームを白人女性から手渡された黒人少年が受け取らずに走り去る場面がある。あっけに取られる白人女性に向かって隣の黒人女性は「それを着たら黒人の友達にいじめられる」と教える。

 またスプリングボクスという愛称やユニフォームの変更を決定した、大多数の黒人たちで構成するスポーツ会議にマンデラ氏が乗り込み、国内融和の大切さを説き“僅差”で決定をひっくり返す名シーンもある。

 マンデラ氏がスプリングボクスのユニフォーム姿を見せて世界に伝えようとした“メッセージ”を、世界の人々はしっかり受け止めた。だからこそスプリンボクスの初優勝に「歴史の進歩」を重ねて“震えた”のだ。

 日本初開催のラグビーW杯でも熱戦の背後でこのような“偉大な物語”が生まれないとは限らない。2019年は日本でこれまでになく「ラグビー熱」が高まる“ビッグイヤー”になることは間違いないだろう。

日大ラグビー部創部90周年記念祝賀会で記念撮影に応じる日大ラグビー部のメンバー。東京都港区の東京プリンスホテルにて。
日大ラグビー部創部90周年記念祝賀会で記念撮影に応じる日大ラグビー部のメンバー。東京都港区の東京プリンスホテルにて。

 そのビッグイヤーの初頭を飾るにふさわしい象徴的な催しが2月10日、東京都内で開かれた。関係者およそ500人が出席した、日本大学ラグビー部の創部90周年を記念する祝賀会だ。

 日大ラグビー部は関東大学ラグビーリーグの創設メンバーであり、同リーグ戦優勝3回を誇る。大学選手権もベスト4進出、4回。いわゆる“古豪”の一つだが、近年は低迷し「名ばかり伝統校」に甘んじていた。

 しかし、創部90周年の節目を迎え、祝賀会では名ばかり伝統校の“汚名”返上を宣言。かつて恐れられていた強靭な肉体とスクラムを誇る「ヘラクレス軍団」への復活を、部員はもちろん関係者一堂で誓った。

 ヘラクレスは猛獣・怪獣を退治した、ギリシャ神話最大の英雄。日大の「ヘラクレス宣言」は、日本ラグビー界を刺激し、ビッグイヤーに花を添える“祝砲”だ。ヘラクレス軍団は次の100周年に向けて「大学選手権初優勝」を掲げる。

2019年6月完成予定のパフォーマンスセンター完成イメージ図。
2019年6月完成予定のパフォーマンスセンター完成イメージ図。

 軍団には今春、高校生の日本代表候補に選ばれた九州の有力選手4人が仲間入りする。また国内最高レベルの充実したトレーニングマシンがそろう最新施設「パフォーマンスセンター」も今年6月に完成予定だ。

 軍団の合言葉は「ストロング、アゲイン」。19年は、W杯日本代表はもちろん、復活を誓う“ヘラクレス”からも目が離せない一年になりそうだ。


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