生活情報のコラム

トキと共生する佐渡のお米のお味は? 東京駅におにぎり処限定オープン

テープカットする佐渡市の伊藤 光副市長(右から2人目)やJA佐渡の齋藤孝夫・経営管理委員会会長(右端)=東京駅構内地下1階
テープカットする佐渡市の伊藤 光副市長(右から2人目)やJA佐渡の齋藤孝夫・経営管理委員会会長(右端)=東京駅構内地下1階

 「島は北の海にひっそりと浮かんでいた。粟粒のような孤島は、わがくにびとが歴史を書きとめはじめた頃から、佐渡となづけられていた」――佐渡出身の思想家・北一輝の傑作評伝「若き北一輝」(松本健一著)は、本土と隔絶した佐渡島(新潟県佐渡市)の描写から始まる。順徳天皇、日蓮上人、世阿弥ら歴史的人物の配流地とされてきた島だ。

 なにしろ、本土と結ぶ佐渡汽船などがなかった大昔のことだ。時の権力者が、「終焉の地」として“政敵”を送る島と本土とのその「距離感」は、交通手段が飛躍的に発達したわれわれ現代人が、実感を伴って想像することは難しい。

 ただ、その孤絶した環境が本土と一味違った島独自の自然環境、あるいは生き物たちの世界を形作っていたことは容易に想像できる。ダーウィンに「進化論」のヒントを与えたガラパゴス諸島(エクアドル)の生き物たちが、よそとは異なる独自の進化発展を遂げていたことはよく知られている。

 その地の自然環境に適合することで動植物は命を紡いでいけるのだし、また、その地にはその地の動植物の命を育むに適した自然環境が残っているともいえる。

 日本では絶滅した野生のトキが最期まで生き残った場所は佐渡島だ。佐渡には野生のトキが最期まで生き残るに適した環境が残っていた。野生のトキの餌場が残る余地のある昔ながらの米づくりは比較的長く続いていたのだろう。

 その“伝統”を現代に生かしているのが、佐渡で2007年から始まったトキと共生する米作りだ。農薬・化学肥料の厳格な使用基準に準拠した独自農法によるコメを、佐渡産コシヒカリのブランド米「朱鷺(トキ)と暮らす郷」として認定する佐渡市の取り組みで、JA佐渡が農家とともに推進し、安全、安心そして高品質の米を作り出している。

 佐渡市やJA佐渡は「朱鷺と暮らす郷」を首都圏で気軽に味わってもらおうと、JR東日本などJRグループと組み、東京駅構内地下1階のおにぎりショップ「穂まれやグランスタ丸の内店」を、8月中旬までの期間限定で「朱鷺と暮らす郷 おにぎり処」と店名を“衣替え”。ブランド米「朱鷺と暮らす郷」を使ったおにぎりを販売(準備した「朱鷺と暮らす郷」を使い切った時点で終了)する。期間限定の特別メニューとして、佐渡の特産具材に使った「佐渡産島黒豚の豚味噌」(税込み220円)、「佐渡産牡蠣(かき)のうま煮」(同250円)も展開。

 日本のトキは、野生種が絶滅したものの、1999年1月、中国から贈られたペアの人工繁殖に成功して“復活”。08年9月、トキの第一回自然放鳥が行われた。現在はおよそ300羽のトキが佐渡の大空を飛んでいる。

 今回の「おにぎり処」オープンはこのトキ放鳥10年を記念したもの。5月16日の東京駅で行われた「おにぎり処」のオープニングセレモニーでは、佐渡市の伊藤 光副市長やJA佐渡の齋藤孝夫・経営管理委員会会長らが店舗前でテープカットして開店を祝った。

 副市長、齋藤会長はともにあいさつで「佐渡を訪れ、おいしいお米を育む佐渡の素晴らしい自然と美しいトキを観てほしい」と観光PRを忘れなかった。

 本土から佐渡まで船で最短一時間。現在は決して“遠い”島ではなく、トキと人間、農業が共生する魅力的な島として世界に「生物多様性」を発信する場所に生まれ変わっている。


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