生活情報のコラム

【続・選挙の舞台裏】(下) 開票立会人の本当の役目は“ネゴ”と“連絡”?

Woman placing ballot in ballot box polling place
Woman placing ballot in ballot box polling place

 衆議院選挙は、自民党、公明党の与党が勝利、野党では立憲民主党が躍進する一方、希望の党は伸び悩んだ。自分の所属する政党のすう勢は・・・それを第一に考える候補者は、ほとんどいない。開票が進む中、候補者にとって最も気になるのは、言うまでもなく自分の当落。20時に投票箱の蓋が閉まってから、支援者、運動員とともにドキドキしながら結果を待つことになる。その間、待つ身はつらいとばかりに、一喜一憂しながら長く感じる時間を過ごす。

 関係者としては、結果を一刻も早く知りたいのは当然のこと。当選となれば、万歳の段取りやダルマの目入れなど“儀式”の準備をする必要があるし、落選の場合でも候補者の落選の弁など、やはり用意することはある。これが今回の衆議院選挙のように国会議員の選挙であれば、テレビの開票速報が続々と入ってくるものの、地方選挙になると都議会選挙など例外を除いて外部からの情報は皆無に近い。そこで、陣営に情報をもたらす貴重な存在になるのが、開票立会人なのだ。

 開票立会人とは、開票事務の公平を確保するため、開票事務に立ち会う人のこと。候補者が1人を定めて、市町村の選挙管理委員会(選管)に届ける。候補者本人がなれないのはもちろんのこと、その選挙区の選挙人名簿に登録されている人でなければならず、誰でも良いという訳ではない。また、公職選挙法で3人以上10人以下と定められているため、11人以上の届出があると、くじで10人を選任。同じ政党の候補者から届出が3人以上ある時も、その中から2人をくじで決める。

投票所  立会人は候補者が、開票所に送り込む・・・そう言った方が的確となるが、各陣営では、できる限り“選挙のベテラン”や“押しの強い人”を送り込もうとする。たとえば、記名があいまいな投票用紙があった場合、「これは間違いなくウチの候補のことを書いている」などとネゴすることが重要。1票差で勝敗が決することもあり得るので、「これは字の間違い」「この記述は勘違いしただけ」などと、交渉するパワーが必要なのだ。

 さて、開票立会人の大きな役割は、こうした交渉だけではなく、陣営に開票の状況をいち早く知らせること。ただし、あくまでも立ち会うことが重要な役割で、外部に電話などできるものではない。知らせるには、“外野席”に“つなぎ役”の運動員を配置、あらかじめサインなどを決めて、得票数を伝えるようにする。開票所の多くは体育館などで、昔の証券取引所の立会場みたいに、立会人が出すサインを見ながら、“つなぎ役”が選挙事務所で待機している関係者に伝えるのである。

 開票状況は、簡単に分かるそうだ。立会人の経験者によると「確認が終わった投票用紙は500枚、1000枚ごとに束ねられ、その積み上がった様子を見れば、優劣は一目瞭然。選管は30分ごとに、途中結果を発表するが、その間にも逐一報告することができる」という。

 テレビや市町村のホームページで発表される開票速報で、途中経過が「500」「1000」などキリの良い数字となるのは、束ねられた投票用紙を数えて発表するため。そのほか、選管も“抜き出し”と言って、無作為に投票用紙100枚単位で抜き出し、それを候補者別に仕分けるのでそれをのぞき込んで、結果を参考情報として伝えるそうだ。さらに、大きな選挙だと、出口調査でおおよその結果が分かるため、あらかじめ親しいマスコミ関係者を作っておくのも、選対関係者にとって重要になる。

 事務所に待機しているスタッフは、ホワイトボードなどに途中経過を書き込むが、結果が判明するまで、候補者は別の場所に待機するのが慣例。当確が出たら候補者を事務所に呼び、拍手で迎え入れるのだ。

(文・水野文也)


K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

第98回天皇杯 トピックス

準々決勝の全日程が確定

 天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会・準々決勝の全日程が確定した。  鹿島アントラーズがAFCチャンピオンズリーグ準決勝に進出していることにより、同クラブとヴァンフォーレ甲府の一戦のみ11月21日に開催され … 続きを読む

ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ