生活情報のコラム

経験が生む好奇心 子どもたちが国産食材のみの料理教室で腕ふるう

【トマトの切り方を教わる子どもたち=東京都新宿区のレインボービルで】
【トマトの切り方を教わる子どもたち=東京都新宿区のレインボービルで】

 日本を“恥の文化”と分析したのはアメリカ人の人類学者ルース・ベネディクト女史。米政府の依頼で始めた研究を「菊と刀」という書物にまとめ1946年発表した。

 現在も読み継がれる「日本論」の“古典”を、彼女が、日本の土を一度も踏むことなく書き上げたことはよく知られている。邦訳本(教養文庫)の訳者は、女史来日への期待を1948年の訳者後記につづっていたが、女史は同年逝去し、かなわなかった。

 もし女史が現代の日本を訪れたらどう分析するか。一度聴いてみたい気もする。仮に東京などに足を運んだら世界各国の本格的な料理が楽しめる食の多彩さに、「恥の文化」ならぬ「味の文化」を感じ取り、新たな分析のスパイスぐらいにはしたかもしれない。

 戦後は一般家庭でもパン食などが当たり前となり、“食の国際化”が進んでいる。反面、主食コメの消費量は減り続け、一人当たりの消費量は現在はピーク時の半減。農家も減り、特に首都圏では自ら口にする国産食材がどのように作られているかを知る機会は減っている。

 このような和食離れの傾向は、食の国際化と裏表の関係にあり、2013年に和食が「無形文化遺産」に登録されたからといって、当分変わらないだろう。

 むしろ、戦後を代表する知識人加藤周一氏の唱えた、日本の「雑種文化」性に期待して、異国料理に学び、国産食材でその美味を表現しうる「和食」の進化を見てみたい。奇をてらうわけではなく、異国料理の精華は伝統的な和食の中にすっかり溶け込んでいる世界だ。

 東京都内で8月29日開かれた「全農親子料理教室」(CPM生活者マーケティング)は、国産食材の使用にこだわった珍しい催し。食材を提供するJAグループの協力で1988年度から始まった歴史のある料理教室だ。毎年5~7回ほど開き、各回小学生と保護者を合わせ30人ほどが参加する。年間だと200人前後の参加。毎回メニュ―を変える徹底ぶりで、包丁の使い方から計量スプーンの活用方法、コメのとぎ方、生たまごの割り方など、本格的な調理の基本を教えている。

【炊き込みミルクライスを弁当箱に詰める子どもたち】
【炊き込みミルクライスを弁当箱に詰める子どもたち】

 8月29日は炊き込みミルクライスやオクラのごま酢あえ、チキンスティック、トマトと大葉のふんわりたまご焼き、ヨーグルトとマスカルポーネのトライフルの献立に挑戦した。保護者はあくまで補佐役で、子どもたちは包丁を握り、揚げ物などにも取り組んだ。

 わずかな油が足にはね、顔を一瞬しかめる子もいたが、すぐに笑顏に戻り、料理に集中。全員楽しそうにまた忙しそうに腕をふるった。最後は色合いや主食とおかずの配分を考え、自分なりに工夫して弁当箱に盛り付けた。

 参加者みんなでお弁当を食べた後、トリ肉の部位の説明や牛乳、野菜の栄養素などの話をJAグループの職員から聞いた。

 話を聞いた子どもたちは「この細長いトマトはどうしてこんな形になるの」と質問。自ら食材に触れ、包丁でカットした経験は食材への好奇心をかきたてたようだった。


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