【がんを生きる緩和ケア医・大橋洋平「足し算命」】夢、そして妄想~発病4年を迎え

2022 年 6 月 24 日=1,174日
*がんの転移を知った2019年4月8日から起算


停泊中の伊勢湾フェリー=4月22日、三重県鳥羽市

停泊中の伊勢湾フェリー=4月22日、三重県鳥羽市

▽丸4年

2022年6月を迎えた。18年6月にがんを発病したので、そこから丸4年である。肝臓に転移が生じてからは3年あまり。思い返せばこの間、数多くのことがやって来た。

たとえば、まず病。意図しない超ダイエットにより30キロ減じられた体は、冬の寒さはもちろんのこと、夏場は冷房に耐えてきた。まさに現在その時期だ。そしていま治療中の抗がん剤は、手足症候群(手のひら・足の裏の皮膚が障害を受けやすい)、心臓や腎臓の機能を低下させやすい、白血球の数も減らすなど、副作用がきつい。しかしそのおかげか、肝臓の転移は何とか持ちこたえてくれている。

▽新たな影

にもかかわらず、今春あたりから肝臓以外の部分で、新たな転移の影がちらつき始めた。この先さらに別の抗がん剤となると、もっと副作用が強くなるんじゃないか。治療の術がなくなれば、いよいよ己の終息か。コロナよりも早く消えうせるのか。などなどが去来し、もう心中は穏やかでない。

次に生活編。緩和ケア医としての病院勤務は非正規雇用のままだ。しかも、新型コロナ感染症まん延により緩和ケア病棟がコロナ病棟に1年近く転換されていたため(現在は再開)、非常勤であるわが働きは激減。一時は職を失いかけた。

しかしこれらも悩んだところで、いや考えたところで切りがない。肩をたたくのは雇用者側であって、雇われ者がどうこうできるもんやない。そして、新たにみつかった影。これは、がんでないとは言い切れないが、現時点ではがんだとも言い切れない。考えても切りがないことは、追い求めたところで意味がない。意味がないことは苦しみを生むだけだ。

▽一期二会

発病してから、がん患者と緩和ケア医の(好き好んでやってないが)二刀流・おおはしようへいは、“講演会”という、思いのままを語らせてもらえる場を、少なからず頂戴した。コロナ禍でしばらくは完全中止だったその会も、ウイズコロナでオンライン講演会が広まり、最近ではオンラインと対面の両方を実施するハイブリッド講演会なるものまである。誠にありがたい。

なにより、自分にとってはとってもうれしい。なぜならば、出会いをもらえるから。新たな出会い、もちろん再会もある。そして「一期二会(いちごふたえ)」。また会いたいと思えるような出会いにしたいから、一会ではなく二会(ふたえ)のつもりで臨んでいる。

鳥羽港全景=4月22日、三重県鳥羽市

鳥羽港全景=4月22日、三重県鳥羽市

▽目標は「全国ツアー」

ところで「4年」は、スポーツの世界では五輪やW杯などビッグイベントの節目の年数です。そしてがん発病という一大イベントが生じたこの6月・Juneから、思い切って新たな目標をひとつ定めた。名付けて「全国ツアー」。

全国ツアー。誤解してはなりませぬ、みなさん。音楽のことではありません。研修や講演などにおける話し手の役であります。地元みえから近隣、そして全国に講演の行脚してみようかと。呼んでもいいと思う方は、フェイスブック「大橋洋平」で検索して連絡くださいな。

話せる中身は例えば、「一(いち)がん患者の思い・体験」、「医者の考える緩和ケア」などかな。そしてそして、社名。そやなぁ・・・仮称で、「患者風※吹かせる会」とでもしましょうか。ここまで来ると、夢いやいや妄想かも?!
編注)「先輩風を吹かす」をもじって、患者ならではのわがままを通しまくることをいう大橋さんの造語

(発信中、フェイスブックおよびYоuTube“足し算命520”)


おおはし・ようへい 1963年、三重県生まれ。三重大学医学部卒。JA愛知厚生連 海南病院(愛知県弥富市)緩和ケア病棟の非常勤医師。稀少がん・ジストとの闘病を語る投稿が、2018年12月に朝日新聞の読者「声」欄に掲載され、全てのがん患者に「しぶとく生きて!」とエールを送った。これをきっかけに2019年8月『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)、2020年9月「がんを生きる緩和ケア医が答える 命の質問58」(双葉社)、2021年10月「緩和ケア医 がんと生きる40の言葉」(双葉社)を出版。その率直な語り口が共感を呼んでいる。


このコーナーではがん闘病中の大橋先生が、日々の生活の中で思ったことを、気ままにつづっていきます。随時更新。

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