【がんを生きる緩和ケア医・大橋洋平「足し算命」】プロ野球~DH制が好き

2022年5月26日=1,145日
*がんの転移を知った2019年4月8日から起算


2022年も、プロ野球が始まってはや2カ月ほどがたった。大好きなスポーツや。実はわたくし小学生時代、プロ野球選手を夢見ていた。中学に入ったらすぐ軟式野球部にも入部した。しかし外野後ろの球拾いが続いて、さらに遠投がそれほど得意でなかったため、間もなくしてあこがれの舞台はあきらめた。打つのは割とうまかった・・・と思うけれど。

世間では「努力は報われる」としばしば叫ばれるが、ちょこっと言葉が足りない。「才能ある中で、努力は報われる」である。それを中学時代に思い知った。私、大橋洋平はいまのところ、がん患者と緩和ケア医の二刀流だが、もし才能があれば二刀流・大谷翔平の先に立ち“二刀流・大○○平”第1号になっていたかも知れへん。とはいえ、才能が足りなかったといって、野球が嫌いになった訳やない。やるのは無理だけど、見るのも大好きだ。

大島洋平さん。ここにも「大○洋平」のつながりが=4月19日、ナゴヤドーム

大島洋平さん。ここにも「大○洋平」のつながりが=4月19日、ナゴヤドーム

ここで、DH(指名打者)制。この制度が始まったのは小学校高学年のころやったかな。ご存じの方は多いでしょうけれど、あえて説明させてくださいな。
投手は打率が低めなので、DH制を採用していないセ・リーグでは多くの場合に投手の打順は9番だ。例えばツーアウト満塁でピッチャーが打席に入ったとする。その投手に続投してほしいがために代打を出せなければ、得点の可能性は随分と減ってしまう。

しかしDH制を採用しているパ・リーグでは、それほど守備にはたけていないが打撃はピカイチなんて選手が出られる、4番を任せられることだってある。すると何が起こるか。スリルあふれる展開が襲来する。攻撃はより攻撃的になり、守備も攻撃的になる。つまり攻撃側は打てる選手が8人体制から9人体制と増し、守備側はどの打者に対しても気が抜けない。DH制でないと、投げる側も相手打者がピッチャーか否かで緊張度も大きく異なることだろう。

双方でこれだけ得点が入るとうれしい=4月19日、ナゴヤドーム

双方でこれだけ得点が入るとうれしい=4月19日、ナゴヤドーム

打つにせよ守るにせよ、お互いが力高き状況での試合でこそ切磋琢磨ができ、野球技術もより向上するんやないかな。見てる方はそれが面白い。エラーで得点など私はうれしくない。こんな理由からパ・リーグの試合の方が、いまは好きや。でも近くにあるのはセ・リーグチーム。もしも、がんを発病していなかったならば、関西圏・関東圏さらには東北や北海道にも足繫く通えたことやろう。

それにしてもプロ野球選手。類いまれな才能を生まれながらに有し、その上に並々ならぬ鍛錬を重ねられる人間だ。はるか雲の上を生きる人たちや、と常々思う、特にテレビ中継を見ている時には。

しかし野球場で生観戦すると、おんなじ人間やなぁとつくづく思う。こんなんオレにもできそうやと。すみません、いつもの自己チュー発言でした。でも思うだけなら勝手やってええですよね。これで気ぃ楽になって、がんをしぶとく生きられるんやから。どうぞお許しを。

(発信中、フェイスブックおよびYоuTube“足し算命520”


おおはし・ようへい 1963年、三重県生まれ。三重大学医学部卒。JA愛知厚生連 海南病院(愛知県弥富市)緩和ケア病棟の非常勤医師。稀少がん・ジストとの闘病を語る投稿が、2018年12月に朝日新聞の読者「声」欄に掲載され、全てのがん患者に「しぶとく生きて!」とエールを送った。これをきっかけに2019年8月『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)、2020年9月「がんを生きる緩和ケア医が答える 命の質問58」(双葉社)、2021年10月「緩和ケア医 がんと生きる40の言葉」(双葉社)を出版。その率直な語り口が共感を呼んでいる。


このコーナーではがんと闘病中の大橋先生が、日々の生活の中で思ったことを、気ままにつづっていきます。随時更新。

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