【がんを生きる緩和ケア医・大橋洋平「足し算命」】SNSをほそぼそと

2022年3月9日=1067
*がんの転移を知った2019年4月8日から起算


潮岬灯台を下から見上げる=和歌山県串本町

潮岬灯台を下から見上げる=1月7日、和歌山県串本町

▽SNSやってます

実はわたくし、SNS投稿をやっている。がん発病とほぼ同時に携帯電話を手放したままのデジタル音痴なのに。投稿しているSNSはユーチューブである。ただしほそぼそと。

詳細を申し上げると、1年半ほど前にユーチューブに第1回を挙げた。2020年9月、なんと人生初の体験だ。ひとつの詩を朗読した、というよりも無休で無給の専属秘書に朗読してもらった。なかなかの名作だと感極まっているが、もちろん自画自賛っていうやつだ。一部を披露させてもらいます。

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落ち込んで何もできず 転移知らされたあの日
がん治療始ま~り 愛車スバルすでに無し
ああ 悲喜めぐる 天命(さだめ)の我が生き路(じ)
今日(きょう)を一日と 足し算命よ
我は生く 手放して気ぃ~楽に
我は生く さらば惜しむを

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お気づきになった方もいるかも知れないけれど、そう、これは替え歌だ。谷村新司さん作「昴(すばる)」のパロディであります。谷村さん、勝手やってごめんなさい。でも言い訳するとわたくし、発病前からあなたの大ファンなんです。いつの頃からからもう覚えがないくらい、30~40年は経っているはず。その中でも「昴」、大好きなんです。免許を取ってから乗り続けてきた車もスバルやった。がんになってから、その愛車は泣く泣く手放したけれど。

なおこの詩は(秘書が口ずさんでいるので歌ともいえる)、特許の関係ありCD販売はできないが、何度でも視聴することはできる。

▽視聴回数が…

そうやって自らが楽しんできた結果、ある時にある事に気がついた。それは・・・・・

視聴回数である。

1に始まり、10そして100という具合に。どこか心地いい。まるで「足し算命」のようだ。広告うんぬんが入っているわけではないので、収入を期待してのことではない。一つ一つ増えていく数が、単純に喜ばしいだけである。その数が1000を超えたあたりだったろうか、わが子が言った。

「おやじが喜んどるところ悪いけど、その数、減らされることもあるんやぞ」

そんなことあるはずない。なぜならば決して減ることがないと気ぃ楽になり、がんを生きられるようになったのが「足し算命」である。同様に視聴した回数が減ることなど、ある訳ないとオレは思った。ところがある日、目を疑う光景に出くわした。

「あれっ、今日の数字どこか変や。昨日と比べて減ってへんか」

それで一日の最後たとえば就寝前に、その数・視聴回数をメモしてみた。そして翌朝に再び視聴すると、

「数が下がっている、それも1や2やない。50ほど」

ショックやった。次の日も、また次の日も、自らは見てもいないのにどういう訳かやっぱり視聴回数は減っていった。

その後しばらく愛歌を聴くことは封印した。それから数日たって下げ止まりとなった。だから現在は気の向くままに聴いている。ただし4分あまりの動画(とはいえ実のところは全く動かぬ画像だが)であり、砂時計代わりにも使っている。出かける前の用意などの際に。

潮岬灯台から望む太平洋=1月7日、和歌山県串本町

潮岬灯台から望む太平洋=1月7日、和歌山県串本町

▽別路戦の動画にチャレンジ

そして今年2022年に入り、別路線も試すことにした。自然風景の動画。具体的には「海」動画である。東半分が海に囲まれた三重に生まれ育ったこともあり、私は陸よりも海の方が好きだ。もし散骨するならば伊勢湾でと、ヨメさんには頼んである。

なおこの動画は2分あまり。しかも編集する技がないので、一回の通し撮りだ。撮り直しはやるけれども、原稿のように何度も添削とはいかず、わが友からは手厳しい意見もちょうだいする。しかしこれもまた心地いい。そりゃぁ、「あかんね」よりも「ええね」の方が、ええに決まっている。ただし何事にも賛否両論あるのが世の常だ。期待してもきりがない。きりがないことは、やらぬ方がましだ。ということで、似たり寄ったりの「海」動画2~3本を投稿しましたので、よろしければご笑覧くださいな。

さらにかなうならば、「足し算命」で検索して登録名「ひろちゃん。」を見つけ、チャンネル登録などもお願いできましたらとってもうれしいでございまする。

応援、何とぞよろしくお願い申し上げまぁす。

(発信中、フェイスブックおよびYоuTube“足し算命520”


おおはし・ようへい 1963年、三重県生まれ。三重大学医学部卒。JA愛知厚生連 海南病院(愛知県弥富市)緩和ケア病棟の非常勤医師。稀少がん・ジストとの闘病を語る投稿が、2018年12月に朝日新聞の読者「声」欄に掲載され、全てのがん患者に「しぶとく生きて!」とエールを送った。これをきっかけに2019年8月『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)、2020年9月「がんを生きる緩和ケア医が答える 命の質問58」(双葉社)、2021年10月「緩和ケア医 がんと生きる40の言葉」(双葉社)を出版。その率直な語り口が共感を呼んでいる。


このコーナーではがんと闘病中の大橋先生が、日々の生活の中で思ったことを、気ままにつづっていきます。随時更新。

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