脱炭素融資の活用で環境対応のLNG船を建造 国内初、川崎汽船が59億円調達

 政府が2050年に脱炭素社会を実現する目標を掲げ、企業の間でもさまざまな取り組みが始まっている。海運大手・川崎汽船(東京都千代田区)はこのほど、環境対応の液化天然ガス(LNG)燃料自動車船を造るための資金について、脱炭素に向けた移行(トランジション)に対する取り組みを後押しする「クライメート・トランジションローン」と呼ばれる融資の枠組みを使った資金調達を実施した、と発表した。

 川崎汽船によると、「クライメート・トランジションローン」の活用は国内初という。みずほ銀行と三井住友信託銀行から計約59億円の融資を受けた。川崎汽船の自動車専用船として初めてのLNG燃料船となる「センチュリー・ハイウエー・グリーン」で、総トン数7万3515トン。最大で7080台の自動車を積載できる。今治造船(愛媛県今治市)グループの多度津造船(香川県多度津町)で建造、3月12日に川崎汽船に引き渡された。

 今回の融資は、世界の証券会社などで構成する「国際資本市場協会(ICMA)」が提唱する「移行の取り組み」について必要とされる要素を満たしているとして、日本格付研究所(JCR、東京都中央区)から最上位の評価を受けたことで実現した。融資の金利減免などの優遇はないものの、投資家ら外部に向けて環境への取り組みをアピールする狙いがあるとしている。

「竣工した川崎汽船のLNG燃料自動車専用船『センチュリー・ハイウエー・グリーン』」(川崎汽船提供)

 JCRは、建造する今回のLNG船がこれまでの重油燃料の船舶と比べ、エネルギー効率関連条約の指標(EEDI)ベースで、二酸化炭素(CO2)排出量が約45%削減されることなどを評価。硫黄酸化物(SOx)の排出をほぼ100%削減、窒素酸化物(NOx)は80~90%削減できるという。JCRは、川崎汽船が掲げる環境に関する長期指針「“K”LINE環境ビジョン2050」にも合致し、持続可能な開発目標(SDGs)との整合性もある取り組みだ、と確認したという。

 川崎汽船は2015年、環境に関わる長期指針「“K”LINE環境ビジョン2050~青い海を明日へつなぐ~」を策定(2020年改訂)。「2030年にCO2排出効率2008年比50%改善」の目標や、アクションプラン(行動計画)として「LNG燃料船の導入」を掲げて脱炭素化に向けた活動に取り組んでいる。環境推進体制 | 環境 | CSR | 川崎汽船株式会社 (kline.co.jp)

 菅義偉首相が温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までに実現すると宣言。企業の間でも、自動車業界では電気自動車(EV)の普及、鉄鋼業界では石炭の代わりに水素を使う製鉄方法の研究、その他の業界でも電力に再生可能エネルギーへの切り替えといった取り組みが進められている。今後も各企業で脱炭素化に向けた取り組みが加速することが予想される。

 川崎汽船はユーチューブで、「センチュリー・ハイウエー・グリーン」を映像で公開している。

LNG燃料自動車専用船 CENTURY HIGHWAY GREEN Next-generation Environmentally Friendly Car Carrier Fueled by LNG – YouTube

 

全国選抜小学生プログラミング大会
新型コロナ特集
スポーツ歴史の検証
スポーツ歴史の検証

K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

矢野経済研究所
ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ