静岡銀行が「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」実施 SDGsに貢献する企業に融資、中小企業向けは国内初

 今、世界は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応に追われている。一方、環境や貧困といった長期的な課題解決についても急務で、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みが求められている。

 経済・金融界にとっても同様で、企業の環境保全や社会問題などへの姿勢を評価して投資する「ESG(環境・社会・企業統治)投資」の動きが広がっている。「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」もその一つだ。SDGsに積極的な企業を対象にした融資で、国連環境計画(UNEP)が提唱し、金融機関に参加を呼び掛けた。

 日本でも大手銀行を中心に実施が始まる中、このほど静岡銀行(静岡市)が地元企業とPIF契約を結んだ。対象は平野ビニール工業(静岡県磐田市)で、1月29日に1億円の融資契約を締結した。静岡銀行によると、中小企業を対象にしたPIFは国内初。地銀による実施も初めてだとしている。

 企業活動への評価基準は、環境・社会・経済の側面でプラスとなる「ポジティブ評価」と、マイナスな要素(ネガティブ)を減らす活動について検討した。平野ビニール工業は、繊維製品や帆布製品、車両用シートの裁断縫製メーカーで、静岡県浜松市に本社を置く軽自動車大手スズキが主力取引先だ。評価については、日本格付研究所(東京)の協力を受け、地域シンクタンクの静岡経済研究所(静岡市)が分析した。

 ポジティブな影響は、外国人従業員の雇用、地域活動への積極的な参加など「多文化共生」を評価。ネガティブな影響は、廃棄物の削減、省エネ機器の導入といった環境負荷の低減が評価された。

 平野ビニール工業は、これまで延べ300人以上の外国人従業員を雇用し、現在もフィリピン、ベトナム、ブラジル、ペルーの4カ国89人が働いているという。コロナ禍で受注が減る中、マスクを製造するなどして外国人従業員の雇用を維持したことも評価された。

 融資資金は企業活動の運転資金に充てられるが、静岡銀行は融資後も地域経済への貢献や環境対応など、平野ビニール工業の目標・指標をチェックしながら達成をサポートするとしている。融資について金利優遇などの措置はないが、取り組みが社会的に評価されることで企業イメージが向上するといったメリットが期待できるという。

 静岡銀行は「PIFはグローバルな枠組みだが、地方銀行が実施することで地域経済への関わりを深めるとともに、地元企業と一緒になって取り組むことができる」と強調する。金融機関にとっても、SDGsへの取り組みに積極参加していることを投資家らにアピールすることになり、今後地方にも広がることが期待される。

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