事業承継は〝結婚相手〟探し 日本M&Aセンターがセミナー開催

 「大廃業時代から大承継時代へ」―。中堅・中小企業のM&A(合併・買収)支援を手掛ける「日本M&Aセンター」(東京都千代田区、三宅卓社長)の「関東エリア 事業承継セミナー」が7月16日、横浜市のホテルで開かれた。

 セミナーは2部構成。第1部は「中堅・中小企業のM&A成功の秘訣(ひけつ) 〝経営者のバトン〟の渡し方・受け方」と題して日本M&Aセンターの森山隆一執行役員が講演した。

日本M&Aセンター・森山隆一執行役員

後継者不足でM&Aが増加

 森山氏は、中小企業の社長の高齢化が進んでおり、2020年には全国の中小企業経営者の平均年齢が70歳になる、と指摘。一方、国内企業の3分の2に当たる66・5%が後継者の不在という問題を抱えているため「後継者がいる方がラッキー」と現状を説明した。

 事業承継の在り方については、息子など親族による承継が関係者の理解も得られやすく「理想的」とした。ところが30年前は90%以上が親族承継だったが、最近は3社に2社が社員やM&Aなど〝親族外承継〟になっているという。

 森山氏はM&Aのメリットとして、後継者がいないことで廃業するという最悪の選択を避けることができ、従業員の雇用維持や、相手企業とのシナジー(相乗)効果で会社の発展が期待できると強調した。

「M&Aは結婚と同じ」

 森山氏は「M&Aは結婚と同じ」とたとえ話で説明。「M&Aは、恋愛と違って小説や映画で疑似体験するようなことができないし、必ず結婚できるとも限らない」として、会社を売りたいと思った時に相手がいるかなど「確実性がないことがM&Aの唯一の弱点」と話した。その上で「初めてのデートで結婚してくれと言うわけにもいかないし、何度も会っているのに結婚してくれと言われないのも困る」と、プロセスの重要性を指摘した。M&Aセンターのような仲介者は、プロセスの中で、経験豊富なコンサルタントや弁護士、公認会計士、税理士といったプロによるアドバイスを受けることができるとアピールした。

因幡うどん前社長・竹崎敏和氏

伝統の味を残す

 第2部は、M&Aで会社を譲渡した「因幡(いなば)うどん」の前社長・竹崎敏和氏(69)が「伝統の味をつなぐ事業の承継」と題して体験談を話した。因幡うどんは、昭和26(1951)年に福岡市で創業。竹崎氏が博多駅や天神などの市内中心部に4店舗経営していたが、60代半ばになり後継者をどうするか検討し始めた。竹崎氏には子どもが3人いたが、海外勤務などで店を継がせるのは難しい状況だったことからM&Aセンターのセミナーに参加したという。

 M&Aを模索する中で、竹崎氏は「相手先企業が同じうどん店だと味がどちらかに変化してしまう」として同業者以外を条件にした。そこで紹介されたのがラーメン店「一風堂」を展開する「力の源(もと)ホールディングス」だった。同社とのトップ会談の際、河原成美(かわはら・しげみ)会長兼最高経営責任者(CEO)が、高校生の時から因幡うどんの常連で「この味は絶対残します」との言葉があり、それが譲渡の決め手になったという。

「いつでもキャンセルできる」

 竹崎氏は「一風堂の名前は、福岡では知らない人はいないことも関係者の理解を得られやすかった」と話し、ほとんどの従業員や取引先が納得してくれたという。また、M&Aセンターの担当者から「契約直前までキャンセルできる」と聞いたことで気楽に検討を始められたことも決断の要因としている。最後に竹崎氏は、M&Aを経験したことについて、進行役の森山執行役員から感想を求められ「中堅・中小企業は必ず事業承継問題に直面する。仲介者がいれば会社の客観的価値を教えてくれるし、プロ集団のアドバイスも得られる。アンテナを高くして情報収集をすることが大事だ」と強調した。

 「因幡うどん」は、2016年6月に会社を譲渡した際に100人近くいた従業員はそのまま残ったといい、店舗もその後6店に増えた。竹崎氏は、社長を引き継いだ後も顧問として従業員と一緒にうどんをつくっていたが、今年3月で退任。今は社会奉仕活動などに従事し「毎日充実している」と笑顔で話した。

 日本M&Aセンターは、年内に全国各地区で同様の事業承継セミナーを開催する。予定は以下の通り

7月19日 広島・三次市(午前)、広島市(午後)

  22日 愛媛・新居浜市(午前)、松山市(午後)

  23日 東京・港区、高知・四万十市(午前)、高知市(午後)

8月 7日 長野・松本市

   8日 東京・立川市

  22日 千葉市

  28日 さいたま市

9月 4日 宇都宮市

  11日 群馬・高崎市

10月2日 大阪・堺市

   8日 熊本市

   9日 福岡市

  11日 大阪市

11月5日 仙台市

   6日 青森・八戸市(午前)、青森市(午後)

   7日 福島・郡山市

   8日 秋田市

  13日 山形市

  14日 盛岡市

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