農業とビジネスの架け橋を 「農林中金 食農ビジネスフォーラム2019」開催

 農業の現場(第1次産業)と、第2次、第3次産業をつなぎ、ビジネスを通じて日本の農業の将来性を探る「農林中金 食農ビジネスフォーラム2019」が7月2日、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。

 農林中央金庫とアグリフューチャージャパン(AFJ、農業経営大学校)が主催し、2012年から毎年開催(AFJは13年から)。この日は金融機関や食品関係の商社、メーカー、IT企業などさまざまな業種から約260社約460人が参加した。

奥和登・農林中金理事長

 冒頭、農林中金の奥和登(おく・かずと)理事長が「日本の農業は、就業人口や耕作放棄地、食品ロスなどの問題があり、いろいろな人から食料自給の力・持続性は大丈夫かと聞かれる。一方で、農業所得や輸出は伸びている。講演を通じて日本農業の胎動を感じてほしい」とあいさつした。

▽ドローンで病害発生をキャッチ

柳下洋ナイルワーク社長

 講演は農業経営者や農業経営大学校卒業生ら5人が登壇。最初にドローンを使って圃場(ほじょう)の育成・診断システムを手掛けるナイルワークスの柳下洋(やなぎした・ひろし)社長が「空からの精密農業~日本の稲作を最先端産業にする~」と題して講演した。柳下氏は、稲作の過程で病害が発生する確率は3割程度だが、予防のために100%全域で農薬を使っているのが現状だと指摘。その上で「ドローンを使えば専用カメラで生育状況がわかるだけでなく、いもち病などの病害を最初の発生段階で見つけることができる」と説明した。さらに「ドローンを活用すれば農業を科学的にコントロールすることができる。日本の農業を世界最先端にしたい」と利点をアピールした。

前田茂雄・前田農産食品社長

▽リーダーは〝望遠、広角、接写〟で

 北海道の十勝地方で小麦やポップコーンの生産をしている前田農産食品の前田茂雄(まえだ・しげお)社長は、海外研修を通じて農業リーダーを育成する「ナフィールド国際農業奨学金制度」を紹介した。前田氏は農業リーダーの3つの条件として、カメラのレンズに例え「望遠、広角、接写」が必要と述べ、足元で作物を育て(接写)、地域を見る(広角)、そして将来を見る(望遠)ことが重要だとした。また、北海道で農閑期となる12月から翌年3月ごろまでをどうするかが課題とした上で「北海道を元気にしないと日本の農業は元気にならない」と訴えた。

農業経営大学校卒業生の石川法泰さん

▽会計士やキックボクサーから農へ

 農業経営大学校の卒業生は3期生2人が現在の活動状況を紹介した。

 公認会計士で監査法人に勤務経験がある石川法泰(いしかわ・のりやす)さんは、愛知県安城市で約50品目の野菜を育て、販売する「teranova(てらのば)」を始めて2年目となった。「1年目は栽培に力を入れることが中心になり、販売になかなか手が回らなかった」と課題を挙げ「今後は経営基盤を安定させるのが目標」と決意を示した。

大学校卒業生・中村美紗さん

 福岡県久留米市出身の中村美紗(なかむら・みさ)さんは、プロのキックボクサーという異色の経歴を持つ。実家の中村果樹園で、イチゴやブドウ、ナシなどの直売だけでなく、観光農園やカフェを併設。子ども用プールも作り「将来は食と農のテーマパークにしたい」と夢を語った。

JA全農の神出元一理事長

 最後に今年からフォーラムの協賛に加わった全国農業協同組合連合会(JA全農)の神出元一(じんで・げんいち)理事長が、全農の活動を報告。新規就農や生産技術、販売への支援といった施策を通じて地域活性化につなげる方針を説明した。


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