【コラム】日本人初NBAの1巡指名、見事というほかない八村選手

  米プロバスケットボールNBAのドラフト会議で日本代表チームのエース、八村塁選手がワシントン・ウィザーズから1巡目(全体9位)で指名された。日本人初のこの快挙をメディアは大きく報じ、列島は沸いた。米大リーグ(MLB)ヤンキースでワールドシリーズMVPと活躍した松井秀喜さんは「野球の人材をバスケットボールに取られちゃう」と冗談っぽく語ったそうだが、これでNBAへの関心が一気に高まったことは言うまでもないだろう。

 バスケットボールは学校体育でもなじみの深いスポーツだが、昔から高い人気を誇った野球やJリーグの誕生とともに国民的スポーツとなったサッカーに比べると、メディアへの露出はいまひとつだった。今回、八村選手関連の報道のおかげで、NBAドラフトでは選手が入団するチームを逆指名できないとか、2巡目までの計60人の超難関であるとか、年俸も指名順に応じて基準額が設けられているといったスマートなシステムがよく分かった。プロリーグとして洗練されたNBAの姿が浮かび上がってきた。

 その最高峰リーグを支えているのが米大学バスケットボールだろう。人気の面でも米スポーツ界のトップクラス。ちょうど日本の高校野球、夏の甲子園大会をイメージすれば話は早い。男子大学バスケットボールの全米王座を決めるNCAA(全米大学体協)トーナメントは、その開催時期から「マーチマッドネス(3月の熱狂)」と呼ばれている。特にベスト4が集まるトーナメント最終盤の戦いは「ファイナルフォー」として全米注目のイベントで、テレビ放映でもキラー・コンテンツとなっている。1億人近い人が大会を視聴しており、その収入は9億ドル(約970億円)ともいわれている。

 八村選手は米北西部のワシントン州にある強豪ゴンザガ大に入り、バスケットボールのみならず、あらゆる面で自らを磨いてきた。主力選手となり、ことしのNCAAトーナメントでベスト8に進み、アーリーエントリー制度を利用して3年生でドラフト対象選手へ。高い壁に正面からぶつかり、自らの力を信じてNBAへの道を切り開いた。見事というほかない。

 女子テニスでは大坂なおみ選手がその実力で世界のトップ選手となり、チャーミングな人柄でファンを魅了する。彼女のユーモアセンスには関西風の味付けがされているようで、インタビューを聞くのはとても楽しい。MLBでは大谷翔平選手の二刀流(いまはお休みしてますが)が全米で注目され、陸上男子100メートルでは20歳のサニブラウン・ハキーム選手が9秒台の世界レベルに到達した。その活躍を同時進行で追いかけられるのは、とても幸せなことだ。

【筆者略歴】

 後藤英文(ごとう・ひでふみ) スポーツジャーナリスト。共同通信では初代スポーツ専門特派員としてニューヨークで勤務。MLBワールドシリーズやW杯サッカー、NFLスーパーボウルのほか夏冬の五輪などを取材。元びわこ成蹊スポーツ大学教授。

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