近年発掘された注目の遺跡を展示 企画展「発掘された日本列島2019」が始まる

 文化庁は6月1日から、江戸東京博物館(東京)で企画展「発掘された日本列島2019」をスタートさせた。本企画展は、埋蔵文化財に親しむことで、文化財保護の重要性に対する理解を深めてもらう目的で行われており、今回で25回目を迎える。日本国内で近年発掘された遺跡の中から注目の12遺跡473点を紹介し、6月から2020年2月にかけて全国を巡回する。その一部をご紹介しよう。

 まずは、岡山市・操山丘陵に位置し、4世紀後葉に築造したと考えられている前方後円墳「金蔵山(かなくらやま)古墳」。昭和28年に発掘調査が行われた後は手つかずだったが、平成26年度から古墳の保護や整備を目的とした範囲確認調査を実施。発掘調査では、これまで調査が実施されていなかった前方部を中心に行ったところ、古墳の西側には、墳丘からテラス状に張り出した「造り出し」、東側には島のように孤立し、墳丘と陸橋でつながった「島状遺構(しまじょういこう)」と呼ばれる方形の壇が付設されていることが判明した。

 ともに葬送にかかわる祭祀の場と考えられるが、この古墳のようにくびれの両側に異なる施設を持つものは希少だという。さらに、その島状遺構からは、「棚形埴輪」「囲形(かこいがた)埴輪」「家形埴輪」といったさまざまなはにわも発見された。

白神山地東麓縄文遺跡群から出土した土器など

 次に、世界自然遺産に登録されている白神山地。この白神山地の東麓に広がる「白神山地東麓(しらかみさんちとうろく)縄文遺跡群」では平成15年から27年にかけて、津軽ダムの建設工事に伴う発掘調査が行われた。発掘調査では17遺跡が見つかり、縄文時代の草創期(約1万5千~1万1千年前)から晩期(約3千~2千3百年前)にかけての縄文人の営みが分かる土器や石器、土偶、漆製品などが良好な状態で出土した。1万年以上に渡る縄文人の生活や文化が残る遺跡から、豊かな森が今も昔も人々の生活を支えていたことがわかる貴重な遺跡だ。

 また、「福島の復旧・復興と埋蔵文化財」と題し、東日本大震災の復旧・復興事業が行われている福島の埋蔵文化財や発掘調査の成果も展示。特に浜通り地域は、海と陸をつなぐ個性的な文化を育んできたといわれ、貴重な遺跡や遺物が残っている。同地の歴史文化に思いをはせてみよう。

 企画展「発掘された日本列島2019」が始まった6月1日は、現在の文化財保護法の前身となる史跡名勝天然記念物保存法の施行からちょうど100年にあたる。これに際して本展では「記念物(史跡、名勝、天然記念物)」保護の重要性を伝えるパネルなどを展示。天然記念物のトキやカモシカのはく製も間近で楽しめる。さらに同日、文化庁は、2021年度までの3年間で「記念物100年事業」を展開するにあたり、キックオフイベントを行った。

 記念物100年事業キックオフイベントには、宮田亮平・文化庁長官、佐藤信・東京大学名誉教授とシンガー・アーティストの葦木ヒロカさんが登壇。宮田文化庁長官がドラを叩き、記念物100年事業のスタートを高らかに宣言した。

宮田 文化庁長官(写真左)佐藤 東京大学名誉教授(同中央)、葦木ヒロカさん(同右)

 イベントでは、葦木ヒロカさんの歌が披露されたほか、記念物保護の重要性について3人で対談。宮田亮平・文化庁長官は「史跡や歴史があって今の私たちがある。記念物を通して日本の文化を楽しんでもらいたい。そして、過去の人たちを敬うとともに、未来の子どもたちにも文化を伝えていきたい」と語った。

 「発掘された日本列島2019」は今後、東京都江戸東京博物館、花巻市博物館、三内丸山遺跡センター、名古屋市博物館、大野城心のふるさと館で展示される。私たちの生活や文化の由来はどこから?歴史文化にそのヒントが隠されているかも。

■「発掘された日本列島2019」会場及び会期

・東京都江戸東京博物館

2019年6月1日~7月21日

・花巻市博物館

2019年8月2日~9月10日

・三内丸山遺跡センター

2019年9月21日~11月4日

・名古屋市博物館

2019年11月16日~12月28日

・大野城心のふるさと館

2020年1月18日~2月26日

PR特別企画
スポーツ歴史の検証
スポーツ歴史の検証
TAFISAワールドコングレス2019

K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

矢野経済研究所
ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ