【コラム】総裁選、焦点は石破茂氏の得票数

 「ついに」というべきか、「やっと」というべきか、8月10日、石破茂元幹事長が自民党総裁選への出馬を正式に表明した。当初は7月初旬の表明が予想されていたが、通常国会が延長になり、また西日本豪雨の被害も影響して、この時期となった。記者会見を見れば、「正直、公正」といった形容は当てはまるかもしれないが、三白眼の仏頂面は今も健在である。

 かねがね石破氏は「最も良い時期に出馬表明をする」と言い放ってきた。だが、外的な要因が働いたとはいえ、果たしてこのタイミングが最善だったのかは、議論がわかれる。現職の首相(総裁)に挑むのであれば、もっと早く表明すべきだったとの指摘は説得力を持つ。第一、すでに議員票の7割以上は「安倍支持」で固まっている。

 「幕が上がる前に芝居が終わる」との表現があるが、総裁選の勝ち負けだけに焦点を当てれば、安倍3選は揺るぎない。競馬でいえば、安倍氏のオッズは著しく低く、逆に石破氏はまさに万馬券である。青木幹雄元官房長官の鶴の一声で、竹下派の半分近くが支持することになったとはいえ、それは405人の国会議員のほんの一部にすぎない。

 石破氏は議員票で桁違いに劣勢である。出馬表明の記者会見でも、居並ぶ議員の姿は少なく、よく言えば「孤高」、悪く言えば「人望のなさ」を浮き彫りにした。総裁選の焦点は誰が勝つかではなく、安倍氏が圧勝するかどうか、別の言い方をすれば、石破氏が「次につながる負け」にできるかどうかだといってもよい。

 安倍氏の出身派閥の細田派には「総理が辛勝に終われば、挙党体制を組むため、石破に重要ポストを渡さなければならなくなる。それは厄介だ」(中堅議員)と危機感を漏らす者もいるし、岸田派には「安倍の後に石破が出てこられないよう、今回の総裁選で芽を摘んでおかなければならない」(若手議員)と先を見ている者もいる。

 一方の石破派の中にも、「本当の勝負は3年後。今回はその前哨戦にすぎない」(閣僚経験者)と言い切る者もいる。もっとも「そのためには、惨敗は許されない」と付け加える。議員票だけでは安倍氏に到底太刀打ちできないため、石破氏が「次につながる負け」とするためには、かなりの党員の支持が不可欠となる。

 今回の総裁選における票の総数は810であり、議員票と党員票が同数となっている。議員票でせいぜい60票前後しか見込めない石破氏が善戦するには、かつての小泉純一郎氏のように、一般党員から絶大な支持を得るしか方法はない。これまで石破氏が地方行脚を重ねてきた目的も、まさにここにある。

 では「勝敗ライン」はいくらなのか。石破氏が党員票の半数近くを得て合計で260票を獲得すれば、それは「勝利」と見なせる。逆に党員票の4分の1しか得られず、合計で160票以下となれば、「次」がなくなる。すでに勝敗が明らかで白けムードが漂う自民党総裁選だが、候補者の得票数に注目してみれば、別の側面が見えてくる。

(政治アナリスト 楠 拳太郎)


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