AI時代に求められる人事の在り方とは

 今、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ロボティクスといった先端技術が進展し、蒸気機関の第1次、電気の第2次、コンピューターの第3次に続く“第4次産業革命”の波が押し寄せています。こうした中にあって、企業の人事に求められる機能と役割も変容が迫られています。では、AI時代における人事の在り方とは、どういったものなのでしょうか。そこで、経済産業省産業人材政策室参事官として、政府の「働き方改革実行計画」策定にも関わる伊藤禎則氏と、機械学習などのデータサイエンスやデジタルテクノロジーの活用による経営改善コンサルティングを手掛ける、株式会社ブレインパッド(東京都港区)AIビジネス本部副本部長の韮原祐介氏に語り合っていただきました。

問われているのは「人間がいかにAIを使いこなすか」

 韮原 伊藤さんは、HRDグループ主催による「Assessment Forum Tokyo 2017」の特別講演で、「AIが人間の雇用を奪うのではないかということに関心が集まっているが、実際に起きるのは“AI対人間”ではなく“AIを活用できる人材対AIを活用できない人材”である」と言われました。

 伊藤 その通りです。

 韮原 全くおっしゃる通りでして、初めに世間の誤解を解いておきたいと思います。それは、AIの研究を手掛けているオックスフォード大学准教授のオズボーン博士が発表した「未来の雇用」という論文によって、「仕事のオートメーション化によって47%の雇用者が職を失う」といった話が独り歩きしていることについてです。「アルファ碁」が世界トップの棋士に勝ったことや、シンギュラリティー(技術的特異点)のことも相まって、あたかもAIが人間を凌駕し、仕事がなくなるようなイメージが先に広まってしまったことを残念に思っています。実際に論文をよく読めば分かるのですが、論文では「(リスクは算定できても)実際にどれほどオートメーション化されるかは分からない」と書かれています。マッキンゼーが実際に仕事の内容にまで踏み込んだ調査を行った試算では、全体の6割の職種について、30%以上の仕事量がオートメーション化されるものの、全てが置き換わるような職種は5%に満たないとしています。伊藤さんがおっしゃる通り、人間の仕事がAIに奪われるということよりも、人間が生産性を上げていくために、いかにAIを使いこなすか、が問われていると思います。

 伊藤 仕事は複数のタスクで構成されていると思いますが、確かに機械化によってなくなるタスクはあります。かつての駅員には「切符を切る」というタスクがありましたが、今ではありませんね。また、そのうち鉄道にも自動運転が進展し、「運転」というタスクもなくなるでしょう。AIや機械にやらせたほうが効率的なタスクはそうすべきでしょうが、人間にしかできないタスクというものは残るのです。

経済産業省産業人材政策室参事官の伊藤禎則氏

 韮原 そうですね。

 伊藤 先日、電車内で赤ちゃんが生まれるということが起こりましたね。その時、車掌さんが大活躍したわけです。電車を止める判断をし、車内放送で状況を説明すると、たまたまタオルを持っていた乗客がいて、そのタオルを床に敷いて出産することができた。すると車掌さんは救急車を呼んで、母子とも無事で済みました。こういったことは、AIや機械には到底できません。ですから、AIと人間は共存し、AIにはできないことを人間がする、あるいは、人間がAIを使いこなしてより効率的に仕事をするということではないでしょうか。100メートル走るスピードは、人間は到底クルマにはかないません。しかしそれでクルマの方が人間より偉いということにはならないのです。

 韮原 そう思いますね。そこで、仕事の効率化という部分ですが、伊藤さんは「働き方改革」の実行計画を取りまとめる責任者として、AIやHRテック(IT技術を使って人事業務を行う手法)についてどのように捉えていらっしゃいますか?

 伊藤 「働き方改革」というと、労働時間削減にばかりスポットライトが当たっているように感じますが、より本質的には“働き方のパーソナライズ化”にあると思っています。働く人一人一人、スキルや能力が異なればおのずと働き方も異なるべきで、日本企業の人事はまだまだ均一的な捉え方をしているのではないかという問題意識があります。パーソナライズ化を進めなければ、日本の働き方は変わらないのではないでしょうか。

 韮原 パーソナライズ化というところに、データやAI技術がマッチするということですね。

 伊藤 AIを活用する「HRテック」が最も威力を発揮するのは、この分野ではないかと思っています。パーソナライズ化を支えるHRテックと「働き方改革」はコインの表裏だと考えます。そして、このことは国の成長戦略のテーマでもあるのです。

「データ駆動型社会への変革」を目指す

 韮原 では、HRテックの話に行く前に、国の成長戦略におけるAIの位置付けについてお聞かせください。

 伊藤 2018年度の成長戦略である「未来投資戦略2018」の副題には「データ駆動型社会への変革」とうたっています。データやそれによるAIで世の中はどう変わるのか、変えていくのか。そこにはどういった人材が求められるのかを提示しています。

 韮原 興味深いですね。

 伊藤 今、アメリカや中国を中心に、サイバー空間におけるデータ獲得競争が起きていますね。“データ覇権主義”ともいわれていますが、いわゆる“GAFA”、Google、Amazon、Facebook、AppleといったITの巨人に、日本は大差をつけられてしまっています。そこは直視しなければなりません。しかし「リアル」の世界におけるデータ獲得競争では、日本はまだまだ勝負できると思っています。

ブレインパッドAIビジネス本部副本部長の韮原祐介氏

 韮原 拙著でも紹介いたしましたが、こうした考えは2016年の「日本再興戦略」や人工知能技術戦略会議の議論でも、示されていますよね。

 伊藤 そうですね。例えば、介護分野。日本には介護保険制度があって、630万人の要介護・要支援認定者が日々介護サービスを受けています。毎日、数百万人という介護に関するデータが記録されているわけです。こんな国はほかにありません。このようなリアルなデータがサービス業や製造業などあらゆる現場で生まれています。このデータをいかに価値あるものにしていくかが重要であり、その点でまだまだ勝負できるということです。

 韮原 確かに、例えばアメリカでは貧困層がなかなか病院で受診できないといったことがありますが、日本では国民皆保険制度のおかげで、広く国民の医療アクセスが担保されていますので、データを活用しやすくするための基盤さえ整えば、世界に先んじて高齢化が進む医療データホルダー国として、大きな強みになると考えられますよね。

 伊藤 私たちはこの2年ほど、“第4次産業革命”の光と影を研究して、その上でこのほどの成長戦略をまとめましたが、医療や行政など、公的な領域で今ものすごい勢いでデータ化が進んでいます。民間もしかりです。保守的な存在の代表であるような銀行でも、相当な勢いで進んでいますね。この5年間でビジネスモデルも激変してきましたが、これからの5年はもっと激変すると思います。AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊先生が「AIのカンブリア爆発が起きている」と言われましたが、まさしく爆発的な変化が起きているということです。“第4次産業革命”とはよく言ったもので、その大変化は否応なしにあらゆる企業や団体、そこで働く人に影響を及ぼすわけですから、どう対応するかは一人一人が考えるべきことであると思います。

“ファースト・ペンギン”を支援せよ

 韮原 私が在籍するブレインパッドでも、ディープラーニング(深層学習)が登場し始めた2012~13年頃から、一部のエンジニアから「うちも取り組みを始める必要があるのでは」と声が上がり始めました。そして、15年頃から実際に顧客案件としてディープラーニングを活用した画像解析などのプロジェクトが本格的に始まっていきました。「面白いからやろう」「これからビジネスとしても伸びるからやろう」という意見があった一方で、「画像解析など大手が手掛けているだろうから、当社が出て行っても勝負にならないのでは?」といった意見もありました。結果的に世の中にはそれらの最新技術で解決できる課題が対応しきれないほどたくさんあり、また既存の手法や製品に対するコスト面の優位性などもあって市場の広がりを感じているところです。

 伊藤 そうでしたか。

 韮原 弊社がある大手食品メーカーに向けてディープラーニングを活用した材料検査装置の開発に関わった事例があります。原材料に黒ずみがある場合があり、食べても何ら問題はなく安全ではあっても、子どもに食べさせる母親の気持ちまで含めて消費者全体の安心を担保する必要があるそうです。従来は作業員が目視と手作業で取り除いていたのですが、これが大変な作業であるわけです。

 伊藤 なるほど。

 韮原 そこでこれを、ディープラーニングを活用して自動化できないかとの相談が寄せられました。やってみないと分からない部分はありましたが、メンバーがいろいろ試行錯誤した結果、一定の条件下では人間の検査員を超える精度が実現できたわけです。このメーカーでは、海外を含めた食品会社や原材料のサプライヤーにも検査装置を広めて、食の安全をもっと高めていこうと取り組まれていると聞きました。まさに日本の成長戦略の通り、リアル世界のデータを用いたプラットフォーマーになる可能性を手にしていると解釈しています。

 伊藤 それは素晴らしいことですね。

 韮原 成長戦略の「データ駆動型社会への変革」はそのように起こり始めていると思いますが、重要なのはその食品メーカーのような、いわば“ファースト・ペンギン”、集団で行動する群れの中から敵がいるかもしれない海へ、エサを求めて最初に飛び込む勇気ある1羽のペンギンのようなイノベーターを支援することだと思っています。

 伊藤 その通りですね。今、ビジネスの変化スピードが非常に速くなっていますので、自らの変化へのチャレンジと、それによって課題を解決することがより重要になっていると思います。食品会社のケースは、課題を解決する手段としてAIを活用する非常にいい例ですね。

 韮原 漠然と「AIはすごい」というイメージが広まっていますが、当然限界もありますし、投資を伴うものですから、期待効果まで考慮した上で道具としてうまく課題解決に用いていくことがポイントです。

AIを活用できる人材をどうつくるか

 伊藤 “AI対人間”ではなく“AIを活用できる人材対AIを活用できない人材”であると言いましたが、AIにおける最大のボトルネックは、AIを活用できる人材がどれだけいるのか、ということだと思います。成長戦略でも、AI人材を育成するインフラをどうつくるかに高いプライオリティーを置いています。その方向性は二つあります。一つは、既に働いている人材に対して。皆が皆、AIを専門的に使いこなすことはできなくても、AIの本質をある程度理解して、AIを使えば何ができるのかを知ることが重要です。もう一つは、これからを担う学生や子どもへの教育。経済産業省では二つのことを提案してきています。一つめは、小学校でのプログラミング教育です。2020年までに全国の2万校で行うようにするという目標を立てています。これは、ソースコードを書けるようにするということよりも、プログラミング的な思考能力を身につけさせることに重きを置いています。二つめは、高校の情報科目を大学の入試科目にすることです。情報科は文系理系問わず必須科目になりますが、入試科目でなければ、早弁したりマンガを読んだりする時間になりかねませんから(笑)。

 韮原 なるほど(笑)。

 伊藤 安倍晋三首相は、今年5月17日の未来投資会議で「AIやIT、情報処理の素養は、これからの読み書きそろばん」と宣言しました。2018年は、本格的な“IT教育元年”になります。

 韮原 AI人材というと理系の人しか通用しないように聞こえるかもしれませんが、文系でも本質的な部分を理解すればビジネスで活用する上では十分活躍できます。私も文系ですが、ビジネスでの効果を創出する上では、ディープラーニングを数式として理解することは必須ではないと思います。

 伊藤 私も、元々は、どちらかというと数学が嫌いな典型的な文系の学生でした(笑)。

 韮原 そうだったんですね(笑)。そのAI人材をどう育成するか、企業においては戦略的な人事が求められると思います。

 伊藤 人生100年時代に必要なスキルや能力として、私は“OS”と“アプリケーション”に分けて考えています。アプリに該当するのは、デジタルスキルです。これは大人になってからでも身につけることが十分できます。

 韮原 そう思いますね。“必要は発明の母”ではありませんが、どうしても必要になれば必死に勉強して身につけると思います。私は仕事で自らプログラミングをする必要に迫られ、その仕事が求めるレベルまではマスターできました。随分な無茶をさせられた状況ではあったのですが、振り返ると貴重な成長機会でした。そう考えると、今の“働き方改革”では、働く個人はストレッチをしないという方向に向かいつつあるのではないかと懸念しています。

 伊藤 同感です。一方のOSに該当するのは、まさしく韮原さんの問題意識の通り、実践を通じてどんどん学んでいく姿勢です。適切な修羅場をどれだけ経験できるか。今注目されている副業やプロボノ活動(専門性を生かした社会貢献活動)などを通じて、社外の空気を吸ってみることが重要だと思います。いろいろなことをやっておかないと、この変化の速いAI時代は人材の“賞味期限”もどんどん短くなっていきますから。

 韮原 OSには、リベラルアーツ(教養)の要素が不可欠ではないかと思います。それがないと、社会課題が見つけられないのではないかと思うのです。

 伊藤 機械学習の世界的な研究者であるカーネギーメロン大学のトム・ミッチェル教授が来日した際に、私もお会いする機会を得ました。機械学習などと誰も言っていない何十年も前から研究している大家ですが、質問する機会を与えてもらえたので、「これからの子どもは何を学べばいいか」と尋ねてみたのです。彼はしばらく考えてから、三つあると言いました。一つめは、まさしくリベラルアーツだったんです。

 韮原 そうでしたか。そういえばカーネギーメロン大学は、コンピューターサイエンスはもちろんですが、リベラルアーツの学部も有名でしたね。

 伊藤 二つめは、チーミング。チームでコラボレーションするスキルが大事だということです。そして三つめは、“Learn how to learn”、学び方を学ぶ、つまり学び続けることが大事だと。含蓄がある言葉だなと思いました。アプリケーションは学べば身につきますが、OSは簡単には身につかないと。これからのAI人材教育における大きな課題だと思います。

 韮原 今、世の中はどんどんバーチャル側に向かっていますが、逆にリアルな体験がますます重要になっていると思いますね。東京で生まれ育ったままの人は、地方の限界集落のリアルな現状に接する機会がない。そんな人材を還流させる仕組みも必要ではないかと思います。

 伊藤 その通りですね。大人においては、副業や“海外留職”などがどんどん行われるべきでしょう。また、今はe-ラーニングやバーチャルスクールなど、学習する環境のハードルは下がっていると思います。これらも活用して、学ぶ仕組みをつくることが大事ですね。

人事においてもデータを取得する“センサー”が必要

 韮原 先ほど、伊藤さんは“働き方のパーソナライズ化”にAIがマッチすると言われました。機械学習などAI技術のビジネス活用が始まったのはマーケティングからだったと思います。Amazonがユーザーのウェブサイト上の行動情報を基にレコメンドを出すといったものが典型的です。私は、人材採用もマーケティングの一種だと思います。企業にはいろいろなポジションがあり、そこに集まる価値観が異なる人材をどう引き付け、マッチングするか、といったことに機械学習がもっと本格的に活用されてしかるべきだと思います。企業の人事部門はどんどん取り入れていくとよいと考えています。

 伊藤 私は、日本企業の人事部門はある意味で楽をしてきたと思います。均一的な働き方がされてきたわけですから。さらには、「マネジャーは忙しくて、メンバーのマネジメントなどしている暇はない」といったおかしな話がまかり通っている。それはともかく、これからはテレワークや副業、あるいはフリーランスの活用などの進展により、マネジメントはますます難しくなります。従業員一人一人の状況を把握し、適切なマネジメントを行うには、健康データや精神状態のデータ、職歴や学歴、人事考課などあらゆるデータを統合して解を導き出すAIの力を借りないと、ままならなくなるように思います。

 韮原 ある企業が、優秀な人材をいかに早期に見極め、魅力付けにつなげるかを主眼として採用プロセスへのAI技術の活用を検討しました。ところが、AI技術を活用するためのデータ化の結果、候補者を優秀であると判断する基準が一様ではないことが判明しました。面接のやり取りや印象で、まさしく経験や勘をもとにそれぞれの面接者がそれぞれの基準で“優秀”と判断していた。AIの活用を検討していたら、採用基準がいい加減であったという反省が生まれ、AI活用の前にデータに基づいていかに基準を統一化していくか、という問題設定に変わった、ということがありました。工場におけるIoTではセンサーを設置してデータを採取しますが、同様に人事においてもセンサーが必要です。勤怠状況や社内SNSの利用内容、職歴や学歴、人事考課の結果といった既にあるデータだけでなく、伊藤さんの言われた日々の健康や精神状態のデータ、さらにはその人の資質や思考スタイルなど、未取得のデータを活用しながら、その人はなぜ高いパフォーマンスを発揮するのか、あるいはなぜその会社に入社を決定したのか、退職したのかといったことを分析でき、アクションが取れるようになるためのデータを確保しておくことが不可欠となる。アセスメント(分析評価)やサーベイ(調査)は、そんなセンサーの一つになると思います。

 伊藤 そう思いますね。

 韮原 私自身も実際に、採用でプロファイルズ社のProfileXTというアセスメントツールを活用しています。AIやデジタル技術に関するコンサルティング経験のある人が採用できるに越したことはありませんが、そうした人材は世の中にそうそういないので、未経験者も採用後にしっかり育成することを前提として積極的に採用しています。その際、育成をして本当に育つのか、そもそもこの仕事に向いているのか、通常の採用面接だけで確実に見極めることは至難の業です。面接の印象だけでは分からない個人の資質に相当する部分を定量化し、既存の優秀社員のものを理想として、マッチ度の高い人材だけを採用しています。そうやって選抜した人材であれば、マネージする側も自信を持って諦めずに入社後に育成することができます。こうした人事におけるデータ活用は、“働き方改革”の上ではどういった効用が考えられますか?

テクノロジーを活用し経営と融合した“戦略人事”へ

 伊藤 “働き方改革”の落とし穴は大きく二つあって、一つは「企業の利益」と「働く人の利益」がかみ合わないことですね。典型的なのは、「早く家に帰ってもやることないし、給料が下がるだけ」といった受け止め方をされることです。もう一つは、やってもやっても成果が見えないこと。そうなると「やらされ感」が出て、うまくいきませんね。そうではなく“自分ごと”ならば、人はコミットできます。その鍵は“見える化”にあると思います。小さな成果でも見えればモチベーションが上がりますから。“見える化”のためにはデータが必要ですが、データを取ることで就業時間が柔軟になるなど働く人が得をするような仕組みに持っていければ、うまく回転していくのではないでしょうか。

 韮原 まずは意味のあるデータを取ることが非常に重要ですね。AIなどのテクノロジーをどう活用するかといった以前にクリアする必要のある課題です。例えば、従業員が会社にバリューを感じる点は、仕事そのものだけでなく、組織風土や一緒に働く社員、報酬といった要素が考えられますが、一人一人異なる価値観を理解するために共通の“ものさし”が必要になると思います。そのものさしの尺度に照らして、相対的にポイントが落ちて来ると離職確率が高いといったことも、アクションの取れる形で見えるようになるでしょう。

 伊藤 人事部は、AIを採用や配置、評価などに活用できるようになると、スタッフが従業員のメンタルに一層寄り添える時間が生まれますね。そこに人事部門の存在価値が出てくるのではないでしょうか。私はいろいろなところで「これからは人事の時代」と言っていますが、今までの人事部のような在り方でのことではありません。AIなどのテクノロジーを使いこなして、真の意味で経営と融合した戦略人事という概念です。

 韮原 今、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の効果が世間の耳目を集めていますが、労務や給与などのオペレーション業務をRPAで軽減するだけでは戦略人事はできないと考えています。それでは、シェアードサービスやアウトソーシング活用が目指したものと変わりません。業務改善の結果、楽になってもオペレーターはオペレーターのままである可能性が高い。戦略人事の役割は、ビジネスの最前線で繰り広げられる勝負の世界を肌感覚で理解し、そこに必要となる人材の量と質に合わせて人材マネジメント全体を考えることだと思います。戦略人事のポジションには、労務中心の人事部たたき上げの人よりも、事業部門の責任者を経験した人の方が適性があるでしょうね。

 伊藤 伝統的な人事部門は、場合によっては外部から人材を招く必要があるかもしれませんね。また、戦略人事ができる人材を育成するリカレント教育(社会人が仕事に役立つ専門的な知識や技術を大学などで改めて習得するための教育)が必要となるでしょう。デジタルスキルであればそういった講座はありますが、HRにはほとんど見当たりません。

 韮原 AI人材だけでなく、戦略人事の人材育成に、企業研修サービサーや人材系のコンサルティング会社にとってのビジネスチャンスがあるかもしれませんね。本日はどうもありがとうございました。


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