【甲子園―100回目の夏①】名門という名にふさわしい中京大中京

全国高校野球選手権の地方大会が始まった。1915年に全国中等学校優勝野球大会としてスタートした大会は、今年で記念すべき100回目の夏を迎える。

高校野球との関わりは50年以上になる。1966年の夏、東海地方の中学球児だった私は、部活の合間を縫って見た中京商(愛知)の春夏連覇の快進撃に、すっかり魅了された。続く69年夏、第51回大会の決勝、松山商(愛媛)―三沢(青森)の延長18回引き分け再試合が高校野球ファンとなることを決定付けた。

大学を出てスポーツ記者となり、合計14年間、甲子園で記者、デスクとして取材した。一番好きなものが仕事となったわけだ。その後、通信社のスポーツデータ・セクションで高校野球データベースを完成させた。大学受験生だった73年に作り始めた記録ノートが元データとなった。

45年前に作った高校野球ランキング(左)と出場校記録ノート

その時に自作のランキングで堂々の1位となったのが、67年に中京商から校名を変更した中京(現中京大中京)だった。夏の甲子園大会47勝、優勝6回はいずれもトップで、春の選抜大会を合わせた勝利数は90、優勝回数10と圧倒的な数字だった。そして45年たった現在でもランキング1位を譲っていないのは立派というほかない。

中京商として中等野球時代の第17~19回大会(1931~33年)で3年連続全国制覇。長い歴史の中で、3連覇はただ1校だけの偉業である。66年の第48回大会では、先にも書いたとおり春夏連覇。これは作新学院(栃木)に続く史上2校目のことだった。

中京時代は決勝に進めなかったが、中京大中京となった後の第91回大会(2009年)で夏7度目の優勝を果たした。日本文理(新潟)の猛反撃で際どく逃げ切ったものだが、決して色あせることのない43年ぶりの日本一だった。春の選抜大会と合わせて11回の優勝は2位のPL学園(大阪)などの7回に大きく差をつけている。名門校という言葉は簡単に使ってはいけないが、この高校こそは名門という名にふさわしい。

通算勝利数でも断トツの78勝をマークしている(2位は松山商の60勝)。選抜大会と合わせると133勝となり、2位の龍谷大平安(京都)の99勝を大きく引き離している。戦前、戦後とコンスタントに勝利を重ね、優勝回数を伸ばしてきた。元球児の端くれには、かつての襟の付いたユニホームは憧れの的だったが、伝統に縛られることなく強さを維持しているのは素晴らしいことだと思う。

中京大中京とともに、戦前から甲子園を沸かせたのは夏優勝6回の広島商(広島)と同5回の松山商。両校とも、春を合わせると7回の優勝を誇る。広島商は第86回大会(2004年)を最後に、松山商は第83回大会(01年)を最後に甲子園に姿を見せていないのは寂し限り。商業高校はほかにも伝統校が多く、甲子園を沸かせてきたが、今春の選抜大会では出場はわずか1校のみ。奮起を期待したいところだ。

古豪とは対照的に、戦後に高校野球となってから強豪校にのし上がったのがPL学園(大阪)だ。1962年に甲子園にデビューし、桑田、清原の「KKコンビ」の活躍や1987年の春夏連覇など夏4回、春3回の優勝を遂げた。だが、2016年夏を最後に休部し、翌年には大阪府高野連に脱退届を提出した。アルプススタンドの人文字やユニホームの胸の「PL GAKUEN」を見られないのは何ともやりきれない。

PL学園に代わって高校球界をけん引する存在となったのが大阪桐蔭(大阪)。第73回大会(1991年)で初出場優勝した後、第94回大会(2012年)では7校目の春夏連覇を達成した。この11年間で春夏合わせて6回も甲子園制覇を果たした。史上初の2度目の春夏連覇が懸かるこの夏も、優勝候補の筆頭となる。「ストップ大阪桐蔭」が全国の球児の目標。ファンにとってはワクワクする夏の到来である。

【筆者略歴】

後藤英文(ごとう・ひでふみ) スポーツジャーナリスト。共同通信では初代スポーツ専門特派員としてニューヨークで勤務。MLBワールドシリーズやW杯サッカー、NFLスーパーボウルのほか夏冬の五輪などを取材。元びわこ成蹊スポーツ大学教授。


K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

第98回天皇杯 トピックス

3回戦の結果(7月11日開催)

川崎フロンターレ 1-1(PK:4-2) 水戸ホーリーホック 湘南ベルマーレ 1-1(PK:4-3) V・ファーレン長崎 サガン鳥栖 3-1 徳島ヴォルティス ヴィッセル神戸 6-1 ジェフユナイテッド千葉 柏レイソル … 続きを読む

ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ